L社職員さんが魔法界に来たようです【MASHLE】 (ページ3)

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A side

ご飯は食べ終わりジョシュアさんが食器を洗ってくれている
私とおばあさんは紅茶を飲んでいる

「けど、驚いたわ。Aちゃんって意外と少食なのね」
『…まあ』

ここに来るまでは栄養剤をのんでいたからな

「どこから来たの？」
『……』

なんと答えようか

「あ、無理して答えなくても大丈夫よ」
「…そうだ、せっかくだからここに泊まっていけば？食料がないのでしょう？しばらくはここで食料を調達していきなさいな」

おばあさんは笑顔でそう言っている
…断りたいところだが、知らないところで死ぬのは嫌だな
せめて前にいた場所で死にたい

「…大丈夫なのかよ」
「あら終わったのね？」
「おう」

食器洗いから帰って来たのか。早いな。これも、魔法というものか？

『…泊まりましょう』
「あら！」
「本当にいいのか？」
『…出来るだけここについては知りたいので』
「そ、そうか」
「じゃあ、2階に案内するわ。着いてきて」
＿＿＿＿＿＿
2階はあまり使われていないのかそこら辺に埃が被っている
2階には1つしか部屋がなかった

「ちょっと汚いけど我慢してね」
「貴女が泊まるのはあの部屋よ。1つしかないけど」

部屋の扉には可愛らしい立て札がつられているが札には何も書かれていない

『中に入っても？』
「いいわよ。ちょっと掃除道具持ってくるわね」
『はい』
＿＿＿＿＿＿
部屋の中は絵本で見たお姫様が住んでいたお城のような見た目だった
ユミはこういうのが好きだったな

埃被ったスタンドミラーがある
自分の姿を写した

そういや、おばあさん達は顔に変なアザが出来ていたがあれはなんだろうか？
地域特有のものか？
いや、魔法というものがあるなら別世界と考えた方が早いか

可愛らしい装飾がされている棚の上に写真がある
その写真には、ユミの子供の頃の時に似た子供がいた
子供はこちらに満面の笑みでピースをしている
本当に似ているな。私は似ていないが

そんなことを考えていたら聞き慣れた鈴の音が聞こえた

窓を覗いてみれば外に見慣れた白い蝶と先程喋っていたおばあさんと金髪の男性がいた

おばあさんは腰が抜けたのか動けず、蝶と金髪の男性が戦っているが、全く歯がたっていない
あのままでは負けるだろう。だが、どうでもいい
今更人が死んでもどうでもいいんだ
どうでも、いいんだ

［…ちゃん、……けて。お姉ちゃん！！］
『！？』

その声が聞こえた時、気づいたら私は蝶に襲いかかっていた