L社職員さんが魔法界に来たようです【MASHLE】 (ページ19)

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レインside

空を覆っている葉からは、日の光が零れている

「…こんな同じ場所があるところに案内出来る場所なんてねぇんじゃねえか？」
【そうだね】

子供は寂しそうだった

「Aに聞こえたら嫌なを話をしたくてここに連れて来たんじゃねえか？」
【…ねぇ、お兄さん。お姉ちゃんは何で笑ってないと思う？】
「？、元からそうなんじゃねぇか？」

確かにそれは、思ったが
あいつは結構喋るし、顔には出ないが感情は豊かだ

【違うんだ。お姉ちゃん、大切な人が死んじゃってあんな風になったんだ】
「…そうか」

それは、かなり辛いことだろうな

【お姉ちゃんはさ、大切な人が死ぬ前でも無理しちゃう人でね、「何でそこまで無理するの？」って聞いたらさ】
【「私の大切な人が消えない様にする為です」って】
【真面目だよね。お姉ちゃんは】

真面目かどうかは知らない
ただ、俺は話を聞くことしか出来ない

【…お姉ちゃんの大切な人が死んでからね。お姉ちゃん、変になっちゃったんだ】
【僕と話していても目を合わせてくれないし、口数も減っちゃったんだ】
「それは、気の所為なんじゃないか？」

そういうのが気の所為だったという話もよくあることだった

【気の所為じゃないよ！！】
「！？」

不味い
思わず、杖を構えてしまった
子供は、表現し難い怒りの表情をしていた

【お姉ちゃんとは他の人が来た時、なんて言ったと思う！？】
【「残念でしたね。Aさんは自分の意思であなたの元を去ったんですよ」こんなのおかしいよ！あんなに優しいお姉ちゃんが、僕を嫌いになるなんて！】

…Aが何でコイツの元を去ったのが分かった。いや、分かってしまった
Aの大切な人は、幻想体とかいう化け物に殺されてしまった。だから、全ての幻想体を憎んでいる
赤ずきんも蝶も、この子供も

【…だからね。お姉ちゃんがもう誰かに盗られないように】
【ここでお兄さんを…え？】

子供のポケットから小石が落ちた
あれがAが言っていた小石を持っている奴らの様子が見れるやつか

その小石にはあの化け物と戦うAの姿が見えた

【嘘、でしょ？お姉ちゃんは、僕の友達を傷つけない…ぅあ】

一旦、子供を気絶させた
さて、応戦しに行こうか
＿＿＿＿＿＿
「…応戦しに行く必要もなかったな」

目の前には、行方不明だった子供とこの森の動物が倒れていた
Aは無傷だった

『…時間を稼いでくれてありがとうございました。さて、銀河の子の元に行きましょう』