L社職員さんが魔法界に来たようです【MASHLE】 (ページ16)

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レインside

空は青く、街はまだ明るい
今日は少し風が強いな

「A、その幻想体の特徴はなんだ」
『幻想体名「銀河の子」。見た目はあの人が言った通り、肌や髪が、空や銀河の星に似ています』
「それだけじゃないだろう？」
『はい。「銀河の子」は友人を欲しています』
『自身が渡した小石を「友達の証」と称し、それを通じて、小石の所有者が何をしているかなどを知ることが出来ます』
『私が知っているのはせいぜいこれぐらいです』

これだけでもかなりえげつない能力だな

「…そうか」
「ところで、なんで上を見ているんだ？」

さっきから気になっていた
上を見ていれば太陽で目が焼けるだろうに

『いや、下を見てしまうと失神してしまいそうになるので』
「なら、失神してしまわないようにもっとくっつけ。今日は風も強いんだ」
『分かりました』

箒を乗せた時、1人で乗っている時と感覚がそんなに変わらなかったからな
＿＿＿＿＿＿
森に着いた
一応、かなり開けたところに来たがかなり手入れが届いていないのか葉も空を覆い隠す程成長している

『これは…迷いそうになりますね』
「安心しろ。迷う程複雑な作りはしていない」

書庫よりかはマシだろう

「少し魔力探知をかけてみる。うろちょろするなよ」
『はい』

集中するために目を閉じた
＿＿＿＿＿＿
何も気配がない
動物にも一応、魔力は通っているが人間とは少し違う
だが、おかしい
最近までいたのであれば足跡のように残っているはずだ
かと言って一気に消滅したというのもおかしな話だ

「なにもいなかっ…」

Aがいない

「……はぁ」

うろちょろするなと言ったのに
まぁいい。自分の足で探すとしよう
＿＿＿＿＿＿
…かなり歩いただろう。そろそろ方向感覚が狂いそうになってきた

また歩き続けると茂みの中にAの姿が見つかった

「…A、どこにi『シーっ』…｣

口を塞がれてしまった

『後で理由を話します。ですから今は静かにしてください』
「……！？」

さっきからAが凝視していたところを見るとそこには、ガラクタで造られた小屋と"紫色のキラキラしたスライムのような物"が小屋の周りを這っていた
その中には人影のようなものも見えた