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レインside
『…ウサギだ』
「なんだ、ウサギは初めて見るのか?」
『いや、本で見ただけですが。この世界にはウサギは野生で存在しているんですか?』
「いるぞ」
『!。そう、ですか』
…まさか、こいつの世界ではウサギが存在しないのか?
あんな可愛い存在が?
『…私の世界では、ウサギは殆ど食用として飼育されていて愛玩動物として飼えるのは貴族ぐらいなんです』
『図鑑では、愛玩動物として育てられているのは絶滅危惧種と描かれていました』
「……そうか。ところで、ウサギは好きか?そうなら本物のウサギを見せてやる」
あんなに可愛い存在を知らないのは人生の10割は損しているからな
『有難く受けさせてもらいます』
「無理して行かなくてもいいからな」
『いえ、行きますよ』
「…ならいい」
______
時計の針はとっくに夜を指していた
Aを部屋まで案内した
「明日は街の案内をする。時間通りに来い」
『はい。今日はありがとうございました』
そう言い、Aは部屋の中に入った
「…ウサギの世話には間に合うな」
______
外に出て、箒に乗り、寮に戻る
自分の下にはキラキラと輝く街の姿がある
また、自分の上にはキラキラと星が輝いている
そういや、アイツ。本を初めて見たような反応だったな
普段からあまり本に触れていなかったのか、もしくは
俺と同じ、読めない環境だったのか
自分の昔の状況とアイツの状況を重ねて考えてみたら握っていた箒がミシミシと静かな悲鳴をあげていた
危なかったな
「…魔法薬学の本でも買ってやるか」
______
朝になり、Aの部屋の前まで来た
なぜなら集合場所にまだ来ていなかったからだ
昨日、場所は一通り教えた筈なんだがな
『…すいません、レインさん。少しご飯を食べていました』
後ろからいきなり声がしたからうっかり杖を構えてしまった
『レインさん?』
「…すまない。今度からは遅れるなよ」
なんでこいつは杖を向けられても平然としているんだ?
______
昼間の街は買い物をする人が多いのかとても騒がしい
Aには偽物のアザをつけた
『……』
「…書庫でも同じことを言ったが、うろちょろするなよ」
『はい』
本当に分かっているのか?
______
レイン君の合ってる?
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みきりねこ(プロフ) - チョコミントアイスさん» 最高っすねぇ〜 (3月29日 22時) (レス) id: 07c0467348 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミントアイス(プロフ) - 好き×好きは最高だぜ〜! (3月29日 21時) (レス) id: 4c4c6fd317 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきりねこ | 作成日時:2024年3月1日 18時