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L社職員と魔法界 ページ1

A side

周りにはいつの間にか死んでいた仲間達の死体がある
何が原因で幻想体が脱走したのか血を流しながら考える

…なんだっけ?
やっぱり何も思いつかない
無線機から雑音が聞こえる

〈…職員A。血の風呂に愛着作業〉
『…了解しました』

この状況でよく作業指示をだせるな
____________
カードを機械にあてる。そうすれば扉が開いた
目の前には皮膚で覆われた浴槽があった
その中には大量の血液があった

『…愛着作業を開始します』

こんなことを言っても無駄だがな
しばらく作業を続けたらまた爆発音が聞こえた

『ッ!』

施設の天井からパラパラと欠片のようなものが落ちてきた
地面もグラグラと揺れる
ここも、私もそろそろ限界なのか…
私もそろそろ眠りたいよ

ポチャン、ポチャンと血の風呂のシャワーヘッドから血が流れる音が部屋に響いている

そういや、血の風呂の中を見ると中に引きずり込まれるという噂を聞いたな
私がいるところでは引きずり込まれる職員はいなかったが、引きずり込まれたらどうなるのだろうか?

死んでも何も解決しないことは知っている
けど、その他に方法があるのだろうか?
薬を飲まされ、傷つき、他の人と交流もした
それが全部失敗に終わったんだ
どうしようもないじゃないか

今がチャンスだと思うんだ
みんな死んだ、私以外の人間が死んだんだ
私を止める人は誰もいない

血の風呂にゆっくりと近づく
血の水面には鮮明に自分の顔が映る
…私と似ていると言ったあの子とは全く違う顔が映っている

これでいい、これでいいんだ
これで幸せになれるんだ
私には、やっぱり。あの子がいないと幸せになれない
数多の白い手が私を引きずり込む

ごめんね、ユミ
今度は普通になれるといいね
____________
小鳥の鳴き声が聞こえる
眩しい、目をつぶっていても眩しい
起き上がってみる

『…ここは、外なのか?』

本でしか見たことがない植物がある
やはりここは外か。緑があるところは珍しいな
もしくは、天国かもしれないが、おかしい事にさっき血の風呂に引きずり込まれたはずが、体のどこも濡れてない
なんならギフトは失ったが装備はちゃんとある。傷も治っている

本当に死んだのか?だとしたら嬉しいが

後ろからザッザッと足音がする
少し警戒するか

「お、お前。ユミかい?」

・→



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みきりねこ(プロフ) - チョコミントアイスさん» 最高っすねぇ〜 (3月29日 22時) (レス) id: 07c0467348 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミントアイス(プロフ) - 好き×好きは最高だぜ〜! (3月29日 21時) (レス) id: 4c4c6fd317 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みきりねこ | 作成日時:2024年3月1日 18時

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