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アーヤソロ。 by to the future ページ1

このお話は、『To the future』のお話です。


ーーーー


「ソロ、、ですか?」

ソロのお話を頂いたのは、
本当に急だった。

バンド活動も落ち着いて来て、
それぞれメンバーも自分の夢に向かって
頑張っている。そんな時で。

「うん。CMの話が来てて。」

出された企画書を見る。

“ Shine me −流されない私へ−”

「シャンプーの、CMですか?」

「そう。そのCMソングを
アオイに歌って欲しくて。」

正直、迷った。

私だけがこんな事をして良いのだろうか。

「…ちょっと、持ち帰らせて下さい」

そう言ってその日は帰った。




「ソロか…」

たしかにバンドをやっていると、
個々の活動も多い。
ソロとしてもバンドとしても活躍されてる
アーティストなんてたくさんいる。

ソロのお話が来てもおかしな話ではなかった。

でも、私がやっていけるのか?
メンバーは認めてくれるのか

そんな言葉がぐるぐると頭の中で回る。

すると、ポケットの中で携帯が鳴った。

パッと画面を見ると、

『翼』の文字が。

その下には、

『ご飯行かない?』

と言うメッセージが表示されていた。

時間を見ると、6時だ。

でも、明日は仕事が朝早く、
外に出るのは極力避けたかった。

『明日がちょっと早めだから、
私の家でどう?』

と送信する。

すると、すぐ既読がついた。

『りょーかい』


ご飯を作ろうと思っていたから丁度いい。

1人増えるくらいなんだったら
量はあまり変わらないから楽だし。

何作ろう。

ーー

「おじゃましまーす、わ、良い匂い」

「どうぞー」

インターホンが鳴ったので、彼を玄関先で迎える。
顔が小さいからなのか分からないけど
違和感があるくらい大きいマスクとサングラスをかけた翼。

急にごめんね、と言いながら紙袋を私に差し出した。


「イタリアンかなぁって思って、
ワイン買ったよ。あと生ハムもね。
予測的中ー」

用意したのは、グラタンとパスタ。

あと何か作ろうと思っていたけど、
生ハムをありがたく使わせてもらおう。

オリーブオイルと野菜を盛り合わせて、
オードブル代わりに。

「ごめんね、遅くなって。どうぞ」

「いえいえ。じゃあ、頂きます」

「あ、ワイン美味しい」

「そ?良かった。アーヤ料理上手だよね」

「え、そうかな?」

「うん、美味しい!ところで、アーヤ」

そう言うと、私の目を覗き込む翼。

「うん?」

「ソロ、やるの?」

そう言った。

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作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miking08081/  作成日時:2020年2月13日 21時

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