兄弟の話 ページ11
エースと私のビブルカードをルフィはいると受け取った。
『じゃあね、ルフィ頑張ってね』
「姉ちゃん…」
『そんな顔しないの。また会えるから大丈夫。ルフィが正しいと思うことをやってね…何があっても私はルフィを応援してるからね』
よしよしと頭を撫でるとうん、分かった！とあっさりした明るい返事が返ってくる。例の賞金稼ぎ親子も帰っていくのか麦わらの一味に声をかけているとエースが私の手を引っ張った。
『そそくさと帰らなくても。全くしんみりしたの苦手なんだから仕方ないなぁ』
「…うるせえ」
『はいはい、次に行こうエース』
「あぁ」
そういえばちゃんとルフィにビブルカードの説明してなかった気がするけど本当にあの子紙だと思ってるんじゃ無いかしら。一味の誰かがちゃんと理解していると良いんだけど…と少し頭が痛くなった。
□■□
『見てエース！またルフィってば暴れて懸賞金上がったみたい』
嬉しそうにニコニコするAにそいつはすげぇや、兄弟として誇らしいなというといつか再会できる日までにどれだけ強くなってるかエースは楽しみなんでしょう？知ってるんだからと笑った。
「なぁ…なんでお前は俺についてきたんだ？」
『マルコに頼まれたからだけど？あのばか止めれるのはお前しかいねぇよいって』
「マルコのやつ…じゃなくてお前なら俺を無理矢理連れ戻すことだって出来ただろ？」
『エースを私が？…貴方達、本当に私のことをなんだと思ってるのかしら…こんなにか弱いのに』
「自分で言うな自分で。そうじゃなくてお前は頭が良いからな俺を言葉で連れ戻す方法をいくらでも思いついたはずなのに何も言わなかったろ」
茶化してみたものの言いたいことは初めから分かっていたのだろう。質問の意味はお前は自分の身が危険である旅だと知っていて何一つお前の為にならないと分かっていたのに俺を見た瞬間諦めて付いてきてくれているのかと言う質問だ。
『彼ならきっとエースを一人で行かせなかったはずだから』
「ったくほんとお前ってやつはそこだけは素直だな」
『私がエースを一人で行かせたりなんてしたら彼に怒られちゃうよ。エース一人で行かせたら危ないだろって。兄妹なら一緒に居るべきだって』
俺の顔を見ると悲しそうな顔をして笑って見せた。
『心配しないでエース。私は未だに彼の影を追ってる訳じゃ無いの。私だってちゃんと成長してるもの。ただ忘れたくないだけなの。ちゃんと彼が死んだって受け入れてるのよ』
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作者名：幹元 | 作成日時：2022年8月14日 22時
