アイドルだって・・２【Hokuto.M】 (ページ27)

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『...もしもし、』

「あ、出た！今どこ？もう近く？」

『いやまだ..』

「もしかして1人じゃない？」

『ううん、1人だよ。友達とは別れたし』

「あ、そう？もし会場から離れてたらアレなんだけど、まだ近くにいるなら会場まで戻れる？
んで正面右に曲がって、そしたら地下に入る入り口があるから....」

私のことを置いて次々に話を進める電話の向こうの彼。

会場ってなんで私がここにいることバレてるんだろう..

『北斗くん、』

「ん？」

『私どこにいるか言ってない、』

「んー笑日生、でしょ？笑」

やっぱり、日生にいることはもうバレてる。

『なんで、』

「えー？詳しいことはあってからでいい？とりあえず合流しよ？」

『でも、そんな会場近くで合流なんかしたら』

「だぁいじょうぶよ、大丈夫。ね？」

言いたいことはたくさんあるのに、北斗くんに大丈夫って言われたら大丈夫に思えてくる。

というか今ここで電話し続けてる方が危ないかもしれない。

『わかった、今から向かう』

「ん、降りるところに立ってる人に名前言えば通してもらえるようにしとくから。

そのまま駐車場まで来て？車はわかるよね？」

『うん、』

「なんかあったら電話して。じゃあ後で」

プツリと切れた電話を手に来た道を戻っていく。

いつしか電話をすることも当たり前になったし、車はわかるよね？って聞かれても問題なく首を縦に触れるようになった。

すれ違うオタクたちにはわからないことがわかるようになっていく。

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