アイドルだって・・２【Hokuto.M】 (ページ3)

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『..もしもし』

「あ、もしもし？ごめん寝てた？」

『ううん、起きてるよ』

「ラジオ、聞いてくれてたの？」

『うん、聞いてたよお疲れ様』

「ん、ありがとう。
樹と話してたらAちゃんの声聞きたくなって電話しちゃった笑」

『なにそれ笑』

さっき呟いたツイートが直接彼の元に届いて、返事が返ってくる。

おまけに名前なんて呼ばれちゃって。

ただのオタクが自担の彼女になるなんて誰が信じる？

実際は誰にも言えないんだけど。

「ね、明日..月曜ね？午後からオフなんだけど...
お店休みの日だよね？会えないかな」

『そうなの？
うん、いいよ。お店開ける？新作入ってきてるよ』

「あーー、いや。それはまた今度お邪魔してもいい？」

『そう？わかった。いつでも言ってね？
あ、でもじゃあどこで会うの？』

付き合い始めて2週間。

なかなか彼のオフと私の休みが被らなくって、ゆっくり会えずにいた。

会うって言っても、それこそ閉店後にちょこっと顔を出してくれてそのまま家まで送ってくれるくらいのこと。

忙しいのに無理しないでって言ってるんだけど、俺の楽しみ奪わないでよ。って笑われたら何にも返せないでしょ？

この2週間で変わったことといえば、居候させてもらってた友達の家から出て新たに一人暮らしを始めた。

だから、会おうと思えば前より会いやすくなったんだけど..

「Aちゃんち行きたいって言ったら困る？」

『えっ..いや、困らないけど...？』

困らないけど、これどうしようね。

元彼とも別れ、友達の家からも出て本格的に一人暮らしスタートさせたばっかりに引っ越しの荷解きの際、ウキウキしながらグッズを壁やらラックやらに飾ったのはついこの間のこと。

部屋がそんなに広くないから見せる収納にしたんだよね..

「マジ？やった。楽しみにしてる。
遅くにごめんね、おやすみ」

『お、おやすみ..』

プツリと切れた電話。

やばい。

明日も普通に仕事だし、月曜の午前中にこれをどうにかしなきゃいけないってこと？

そんな無謀な...

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