Umbrella for THE RED RAIN - 参幕 -

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あと十数mのところで
ようやくその全貌が見えた。












ソレ は
確実にヒトの形をしていて











というより
絶対人間で















長い黒髪を持った
全身泥まみれの女だった














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何故こんなところで？




あまりに薄着
しかも裸足












周りを見ても
その他の衣類は全く無くて












強 姦＿＿＿＿＿ではなさそう。















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「………」























歩みを止めずに
そうやって思考を張り巡らすうちに


脳内のどこかで危険信号が鳴った気がした。











それもそうだ、
こんな真夜中に
こんなところで
こんな状態で倒れている女



大抵絡んだらロクなことねぇ。


















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俺はどっかの誰かさんとは違うから

女を見ただけで"そんな気"を起こすような野暮じゃない。












ただ
ここで何も見なかったことにしてUターンできるほど
冷徹な人間じゃないことも

幸か不幸か 自負してる。



















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そうこうしているうちに
女との距離は
あと 数歩。























ふと
自分の足元に目をやると












地面を流れる雨の跡が
何故か ひどく淀んでいて















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「…っおい、まじかよ……！」























それを辿れば
派手に裂けて出血している女の右腕

















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「大丈夫か＿＿＿？


オイ、しっかりしろ＿＿＿＿＿！」














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気が付けば
脳内の危険信号なんて無視して




女の横に屈み
そう 声をかけていた。





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