BTSの長男の日常短編集 (ページ40)

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命日　1 ページ40

今日は両親の命日で、この日の前後 3.4日は夜眠れない。寝ても悪夢を見るから寝ないことにしている。けどやはり色んなことを思い出してしまう。

両親の死は突然だった。僕はその時中学3年生で学校に行っていて、先生に呼び出され"さきほど病院から電話がかかってきて、あなたのご両親が交通事故でお亡くなりになったそうです"と告げられた。僕は理解できなかった。先生が話している言葉がどこか知らない国の言葉なんじゃないかと思うほど頭の中に入ってこなかった。

僕は先生に連れられて病院に行き、警察から説明を受けた。信号無視だったそうだ。両親が乗っていた車が猛スピードで走ってきた信号無視のトラックにはねられ即死だった。あまりのことに僕は涙さえ出ず、気づいたら葬式まで終えていた。僕には親戚が父方の祖父母しかいなく、しかもドイツに住んでいた。一人暮らしは危ないからこっちに来て一緒に住みましょうと電話で祖母に言われたが僕はそれを拒んだ。両親の墓があるこの地から離れたくなかったのだ。

僕は気味の悪い子どもだったと思う。幼稚園生の時にもう砂場に2次方程式を書いているような子供だった。それにもかかわらず両親はたくさんの愛をくれ、支えてくれた。色んなものに触れさせてくれた。スポーツや芸術などたくさんのものを体験させてくれた。僕はそんな両親が大好きだった。両親を失った僕の世界はモノクロだった。

色のない世界を淡々と生きながら僕はそのまま地元の公立高校に行って、ソウル大学に行った。なんで地元の大学に行かなかったのかって? それは両親からずっと言われてきた言葉を守ろうと思ったから。僕はずっと両親から「人の役に立てる人間になりなさい。あなたのその才能と頭脳で世界にはばたきなさい」と言われていた。世界に行くならソウル大学かなって思ったんだよ。

そんな中大学に入学してから5ヵ月がたったある日、僕の世界に色が、光が見えたんだ。 7つの色と光が。そう、そこにいたのはメンバーのみんなだった。それからは世界が鮮やかだった。毎日が楽しかった。吐くほどつらい練習さえも僕には生きてると実感できる時間だった。