夢主が昏睡状態のまま一年経った…［Liura］〈短編〉 ページ3
りうらside
「A。今日もきたよ。」
ベッドで寝たままのAに声をかける。
ずっと寝たまま。もうすぐあれから一年も経つ…
トラックに跳ねられて、俺が雨の中走って病院に行った時にAは手術室に居て、出てきたAとお医者さん。
お医者さんに「Aは無事、なんですか…」と聞いたら「命に別状はないですが…昏睡状態になる可能性があります。」と告げられたあの日から。
目の前のAはすぅすぅと寝息を立てながら寝ている。少しも動かないから時々「もう…起きないんじゃないか」と、死んでしまってるんじゃないかと、すごく心配になり、彼女の柔らかい頬を触ると、まだ暖かくて「あ、まだ生きてる」と安心する。
そんな日々を約一年。俺は今年で19歳だよ。誕生日までには起きろよ。
「あ、そうだA。俺、大学受かったよ。それにさ、"いれいす"って言う歌い手グループに入ったんだよ。A、歌い手好きだったよね〜」
「……。」
もちろん返答なんてない。でも、「もし返ってきたらな」と言う淡い期待を抱いて来るたびに最近あったことを話してる。
正直辛い。Aの笑顔に惚れた。でも、今はそんな笑顔さえ見れない。
「Aっ…。っ…じゃあ、また来るね。」
そう言って病室を出た。
2週間後…
「A。今日でAと話せなくなってから一年も経ったよ。…いい加減…早く起きてよ…っ…うっ…」
辛い。Aと話したい。Aに笑って名前を呼んでほしい。「りうくん」って。
「……ふふっ、」
…、今の笑い声…
「え…A…？」
下を向いていた顔を上げ見るとそこには笑顔の可愛い大好きな彼女。
彼女は俺の目を見て言った。
「りうくん…っ、おはよう。一年も経っちゃったね…ごめんねっ、」
涙を流しながら笑顔でそう言う彼女の姿に涙が止まらなかった。
「A…Aだよね…？」
「Aだよ…っ、りうくんの、彼女のAだよ。」
一年ぶりの彼女の声は全く変わってなくて、笑顔もそのまま。儚くて、ひまわりみたいに明るい笑顔。
「Aっ…ごめん、俺が一緒にいなかったから…もう、離さない…絶対にっ…ごめん…っ」
そう言いながらAを思いっきり抱きしめると彼女は子供をあやすような声で言った。
「りうくんのせいじゃないよ。でも…もう離さないでね？」
俺は誓った。泣きながら今できる精一杯の笑顔で言った。
「離さないよ。だからもう2度と離れないでね。」
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Luna@スランプ気味(プロフ) - チエリー・ルミさん» コメントありがとうございます！少しでもお力になれたなら幸いです。こちらこそありがとうございます！ (2023年2月11日 9時) (
レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
Luna@スランプ気味(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます！返信遅くなって申し訳ないです…！ありがたい言葉ありがとうございます！ (2023年2月11日 9時) (レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
チエリー・ルミ(プロフ) - 生きる意味が私ずっと見つからなかったから、すごく泣きました。ありがとうございます。 (2023年2月10日 22時) (レス) @page17 id: 69fefe3a39 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - リクエストではないのですがコメント失礼します。毎日少しずつお気に入りでしおりを挟みながらとてもドキドキして読ませてもらっています！続編もあるみたいなので次も読ませてもらいますね🎵 (2023年1月5日 15時) (レス) id: 766649bc8e (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - まふゆさん» リクエストありがとうございます！はい！了解です！ (2022年4月6日 16時) (レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Luna | 作成日時：2021年11月30日 16時
