story 98 ページ48
りうらside
りうら「このドーナツ美味しっ！」
桜「ん…」
カフェに着いてドーナツを食べる。桜はずっと黙々と食べてた。
表情が柔らかくなったから、きっと喜んでくれてるはずと思いながらりうらもドーナツを食べてた。
りうら「桜、」
名前を呼ぶと、ドーナツにしか目がいっていなかった君が顔を上げる。口の端にチョコがついてるのを見て、思わず笑ってしまった。
りうら「桜、チョコついてるよ？」
桜「え!?ど、どこ…？」
りうら「ここ。」
そう言って自分の口の端を指さすけれど、桜は反対を一生懸命拭ってた。
りうら「こっちだよ。」
敢えて、逆だよ、とは言わずに机に置かれていたおしぼりで拭った。
桜「！ありがとう。」
りうら「いいえ。」
照れた様子さえ見せない桜。どうやったら少しくらい意識してくれるかな、って、毎日考えてる。もういっそ告白しちゃおうかな、なんて、最近は思ったりする。
りうら「ねぇ、桜は好きな人とかいないの？」
桜「は、」
驚いた様子でポカンと口を開ける桜。じわじわと頬が赤く染っていくのがわかる。
りうら「嫌だったら全然いいんだけどさ。気になるなーって！」
桜「え、えーっと…」
りうらから目を逸らして目を伏せる桜。オドオドした様子が、すごく可愛かった。
りうら「…じゃあ、りうらの話、聞いてくれる？」
桜「え？」
りうら「りうらね、好きな人がいるんだ。」
桜「あ、あぁ…」
そう言った時、桜が一瞬顔を歪めたのはりうらの都合のいい見間違えかな。期待しても、しちゃってもいいのかな。
そんなわけないか、と1人で胸を痛める。桜が、りうらのこと好きなわけない。頭じゃわかってても、心が期待をしてしまう。苦しくなるだけなのに。
りうら「その好きな人はね、可愛くて、優しくて、りうらより年上なのにちょっと抜けてるの。」
桜「そう、なのか…」
りうら「あと、繊細なんだよね。」
この気持ちが、言わなくても伝わったら良いのに。気付いてくれたら良いのに。そう思っても、そんなことあるわけなくて。
桜「いい、人だな…」
りうら「でしょ。」
そう言って桜に微笑みかけると、桜は目の奥に苦しみの色を携えながら笑った。
りうら「…桜。今日、どうしてりうらを呼んだの？」
桜「…それ、は…」
桜はまた、俯いてしまった。りうらが俯かせてしまった。やっぱりりうらは、桜には似合わないな、と思ってしまった。
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Luna@スランプ(プロフ) - キラリ@ピグ民さん» コメントありがとうございます！本当ですね…ご指摘ありがとうございます！すぐ直しますね！嬉しいです…！凄くのんびりですが更新してますので良かったら続きもよろしくお願いします！ (8月25日 9時) (
レス) id: 162dd03429 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ@ピグ民(プロフ) - すいません。あの97ページの5行目で「りうら」がりくらになっております。間違いでなかったらすいません。あと、このお話めっちゃ好きです。好みです。この、ifくんの優しさが尊い・・・♡ (8月23日 16時) (レス) @page47 id: 408d49e73f (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - おんプリンさん» コメントありがとうございます！いやぁ…あの2人いいですよねぇ（？） (2022年10月14日 23時) (レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
おんプリン - なにこれ…めっちゃ尊いじゃないですか!! 訳((いいぞ。もっとやってくれ。 (2022年10月9日 19時) (レス) id: d4139165cf (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - mame_03さん» コメントありがとうございます！気になりますよね…はい…頑張って書きます！ (2022年8月16日 10時) (レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Luna | 作成日時：2021年12月18日 16時
