story 97 ページ47
りうらside
りうら「…桜。」
放課後、桜に呼び出されて連れていかれたのは、この間夏祭りがあった神社。
りうら「…なんかあったんだよね。どうしたの…？」
桜がりうらのことを呼び出すってことは、きっとりうらに何か聞いて欲しかった、そう思ってる。
でも、当の本人は、ベンチに座ったまま中々口を開いてくれない。
りうら「…言いづらい？」
桜の顔を覗き込むようにしてそう聞くと、桜は力なくこくんと頷いた。
りうら「そっか…」
項垂れる桜を見て、反射的に頭を撫でて、ギュッと抱き締めたくなった。でも、流石にそこまでは出来なかった。
りうら「…じゃあ、りうらとデート行こっか。」
桜「…え、」
いつものしっかり者の桜のイメージとは相反する力ない声だったけれど、りうらにはちゃんと聞こえた。
だって好きな人の声だから。
好きな人ってだけで、大切な人ってだけで、どんなに細かいことにも気付いてしまう。いつだって一緒にいたい、会いたいと思ってしまう。
これが恋の病ってやつか、と桜に恋して初めてわかった。
りうら「話せそうになった時に話してくれたらいいよ。りうらは、ずっと待つから。」
桜「っ…りうら…」
ボソリとりうらの名前を呼んだ桜は立っているりうらの手を取って、ギュッと握った。
桜は、平気でそういうことをする。きっと、男として見て貰えてないんだろうな、と思いながらりうらは手を握り返す。
りうら「…じゃあまずは、甘いものでも食べに行こっか。」
桜「…うん。」
桜の手を握る力が強くなったのを感じながら、りうらも手をまた強く握る。絶対に離さないように。
りうら「桜好きなスイーツとかある？食べに行こ！」
桜「ドーナツ…。」
りうら「ドーナツいいね！行こいこ！」
脱力した様子で座ったままの桜を引っ張り立たせる。少し強引に立たせないと、桜は立ってくれない。引っ張れば、桜は自分で立つ。それでも立たなかったらそこから動かない。
りうら「ドーナツかぁ〜ちょっとオシャレなカフェでも行って、探してみよ！ミ○ドも良いけど、いつもと違うとこ！ね？」
桜「そう、だな…。」
りうら「あ、またちょっとかしこまってるでしょ。りうらが相手なんだから、もっとリラックスしていーの！」
桜「うん…。」
桜は、仕事の癖からかいつも喋り方が硬い。まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないんだけど…。
りうら「ほら、行くよ！」
そう言って、桜の手を引きながら走り出した。
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Luna@スランプ(プロフ) - キラリ@ピグ民さん» コメントありがとうございます！本当ですね…ご指摘ありがとうございます！すぐ直しますね！嬉しいです…！凄くのんびりですが更新してますので良かったら続きもよろしくお願いします！ (8月25日 9時) (
レス) id: 162dd03429 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ@ピグ民(プロフ) - すいません。あの97ページの5行目で「りうら」がりくらになっております。間違いでなかったらすいません。あと、このお話めっちゃ好きです。好みです。この、ifくんの優しさが尊い・・・♡ (8月23日 16時) (レス) @page47 id: 408d49e73f (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - おんプリンさん» コメントありがとうございます！いやぁ…あの2人いいですよねぇ（？） (2022年10月14日 23時) (レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
おんプリン - なにこれ…めっちゃ尊いじゃないですか!! 訳((いいぞ。もっとやってくれ。 (2022年10月9日 19時) (レス) id: d4139165cf (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - mame_03さん» コメントありがとうございます！気になりますよね…はい…頑張って書きます！ (2022年8月16日 10時) (レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Luna | 作成日時：2021年12月18日 16時
