story 93 ページ43
朱莉「っしゃー！」
『朱莉上手すぎ…』
朱莉「えへへ〜」
放課後に朱莉とゲーセンに来た。朱莉は凄くクレーンゲームが上手くて、何から何まで取っちゃうから持って帰るのが大変。なのに加減しないからいつも痛い目みてる。
朱莉「次はあれやろ〜」
『もう〜程々にしなよ〜？』
朱莉「あ、猫のぬいぐるみだ」
『どこ？』
朱莉「あれーA欲しいでしょ？」
『うっ…』
バレてる…私が猫好きで、ぬいぐるみも大好きだということが…。
『欲しい…』
朱莉「よーし！取ろ！」
『あ、ちょ、』
そう言って元気よく走り出した朱莉。まさか走るなんて思わなかったから、ビックリして足がもつれそうになった。
『急に、走んないでよ…』
朱莉「ごめんごめん」
笑いながらそう言う朱莉は、クレーンゲームの台と向き合ったままこっちを見ない。
『…朱莉…？』
朱莉「…A。私が、Aを困らせちゃってるのかなぁ…？」
『え…？』
こちらを見ないでクレーンゲームの中に転がるぬいぐるを見詰める朱莉。なんで、どうして、その気持ちだけが頭に残った。
朱莉「…今のAからは、そんな感じがする。私の事考えてる。そう言う雰囲気がする。それで、その事で悩んでるのも感じる。」
『っ…』
朱莉「…でもさ、」
朱莉は喋りながら100円を1枚入れ、クレーンゲームをやり始めた。
朱莉「Aは…優しいから、きっと、自分のせいで私が傷ついてないか…とか、考えてるんでしょ。」
言いながらアームを動かして、いつもと変わらない調子でぬいぐるみを掴む。
朱莉「A。私は、Aに傷つけられたことなんて、1回も無いよ。寧ろ、いつも助けられてる。」
小さく音を立てて落ちたぬいぐるみ。それを手に取った朱莉は、その時喋り始めてから初めて、私の方を見た。
『っ、』
私を見詰めるその目は、少し寂しげで、でも、悲しそうでは無かった。
朱莉「…だからさ、そんなに、重く考えなくていいよ。大丈夫。私は、Aの事大好き。ね？」
『朱莉…』
朱莉「私の何で悩んでるのか知らないけど、私は、Aの事全部知りたいなんて思ってないし、人間だから、一つや二つ秘密があってもいいと思ってるよ。」
『…ごめん。』
俯きがちにそう言うと朱莉は少し笑って言った。
朱莉「Aは何も悪いことしとらんよ。ほらこれ。」
『…ありがとう。』
朱莉から手渡されたぬいぐるみは、暖かかった。
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Luna@スランプ(プロフ) - キラリ@ピグ民さん» コメントありがとうございます！本当ですね…ご指摘ありがとうございます！すぐ直しますね！嬉しいです…！凄くのんびりですが更新してますので良かったら続きもよろしくお願いします！ (8月25日 9時) (
レス) id: 162dd03429 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ@ピグ民(プロフ) - すいません。あの97ページの5行目で「りうら」がりくらになっております。間違いでなかったらすいません。あと、このお話めっちゃ好きです。好みです。この、ifくんの優しさが尊い・・・♡ (8月23日 16時) (レス) @page47 id: 408d49e73f (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - おんプリンさん» コメントありがとうございます！いやぁ…あの2人いいですよねぇ（？） (2022年10月14日 23時) (レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
おんプリン - なにこれ…めっちゃ尊いじゃないですか!! 訳((いいぞ。もっとやってくれ。 (2022年10月9日 19時) (レス) id: d4139165cf (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - mame_03さん» コメントありがとうございます！気になりますよね…はい…頑張って書きます！ (2022年8月16日 10時) (レス) id: d192e913df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Luna | 作成日時：2021年12月18日 16時
