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出会い 太宰side ページ5

日が高くなるにつれ、暑さに耐えきれなくなった私は、乱歩さんのおつかいついでに赤煉瓦近くの海岸に来ていた。

平日には観光客が少ないと思って来たのだが、港側が騒がしい。船乗りや、その乗船客と思われる人たちがもめている。

「何かあったんですか?」

「あ?いや、どうもこうもねぇよ何故かわかんねぇが港から船が出れねぇんだ」

「それはどういう…」

「おーい!!向こうからもう一隻戻ってくるぞー」

その声の方向を見ると、大きな漁船がボーと轟音を鳴らしながらこちらの方へ迫ってくる。

「やはり駄目か…どうしても、此方に戻って来ちまう」

船から降りて来た人は、集まっている。

「おい、お前何か見たか?」

「霧だ。濃い霧がでたんだ!…あたりが真っ白になって何も見えなくなって、霧が晴れたと思ったら此処に戻ってきちまってたんだ。だけど、船はきっちりまっすぐ進んでいたはずだ。なのに、、、」

「俺達の乗っていた船も同じだ!!」

「なんかの怪奇現象かよ!?これこそ妖怪の仕業か?」

「ゴホンッ」

老年の男の咳によって、男は口を閉じる。


ーーーーーーーーー

ーーーー


探偵社のビルを歩いていると、少女がポツリと立っているのが見える。

風が吹いた。その子を見た瞬間、桜の花びらが舞い少女の髪を梳くように風が流れる。小さな頭を強調するかのように大きい麦わら帽子は春を想起させるような少女とは少し合わない気もした。

淡い茶色の髪はフワフワとしており、長いまつ毛は瞳に影が落ちるほどであった。目は空を映したような色をしており大きな瞳はどこかピントの合っていない。

「うちの社に何かようかな?」

そういうと、少女は何から引き戻されたように此方と目が合う。日に焼けたせいかその子の肌は赤くそれ以外のシルクのような白い肌が際立って見えた。


「わ、私は…」

掠れた声は妙に庇護欲を掻き立てられる。

脳が蕩けるような甘い香りが鼻腔をくすぐる。
不思議な香りだ。






「此処で立ち話もなんだし、中に入ろう」

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八咫烏(プロフ) - コメントありがとうございます!そう言って貰えると本当に嬉しいです(*´∇`*)ありがとうございます! (2018年2月12日 5時) (レス) id: c067c8d177 (このIDを非表示/違反報告)
mc.@こたぬき(プロフ) - 好きすぎる…!これからも頑張ってくださいね! (2018年2月10日 23時) (レス) id: e2df0854b1 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!! (2018年2月9日 23時) (レス) id: c067c8d177 (このIDを非表示/違反報告)
- オリジナルフラグ外して下さい (2018年2月9日 7時) (レス) id: 4f3584ea5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八咫烏 | 作成日時:2018年2月9日 4時

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