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探偵社 ページ2

「この唐木片が!!!!!お前はいつまで休憩時間のつもりでいる!皆はとっくに仕事をしているのだぞ!」

ドアを開けると、金髪のメガネを頭にかけた男がものすごい形相で怒鳴りつけてきた。

「ひぃ」


反射的に情けない声がでてしまう。わけもわからず後ずさりすると、後ろに居た太宰にあたる。


「国木田くん〜。いきなり女の子を怒鳴るのは酷いじゃないか〜。ほらほらこの子涙目になっちゃったよ?」

太宰は私を盾にするように部屋に入る。

「お前が仕事に遅刻して来なければこんなことにならなかったんだ!!!」


くるりと顔をこちらに向けると、いきなり怒鳴ってしまって悪かった。そういってソファに誘導してくれる。そう、怖い人ではないようだ。


そのまま私の隣に腰かけようとして居た太宰を国木田は、右フックで床に落とす。そのまま足蹴りで転がしている。うん、前言撤回。怖い人確定だ。

「太宰も馬鹿だな〜、先にその子が熱中症になりかけてるって言えばよかったのにー。そうそう、僕の頼んでた駄菓子とチューペット買ってきてくれた?」

「乱歩さん、ちゃんと買ってきましたよ。それとこれ」

足蹴りされた太宰は芋虫のように、立ち上がり駄菓子の入った袋と封筒を渡す。

乱歩は満足そうに頷き、中に入って居た二本のうち一本を渡してくれた。

「本当は次の日にとっておくつもりだったんだけど、君にあげるよ。また買えばいいし」

礼を言い、ラムネを飲むとシュワシュワとした爽快感が体に広がり体の熱が冷めていく。先程からぼんやりとした頭が冴えていく。

そういえば、私はどうして此処に来たんだっけ?

「探偵社の前に立ってたけど、誰かと待ち合わせしてるの?えーっと、、、」

そういえば、太宰に自分の名前を言っていないことに気づいた。





「 私は● ● ● ●です。 」




頭の中の声をザザッと壊れたラジオのような音がかき消す。覚えていたはずの名前が、自分から分離して消えていく感覚が怖い。体の中心にポツリと穴が空き全身の熱を奪って行く。手足が痺れ冷や汗が止まらない。私は…








わたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしはわたしは………









私は誰だっけ?

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八咫烏(プロフ) - コメントありがとうございます!そう言って貰えると本当に嬉しいです(*´∇`*)ありがとうございます! (2018年2月12日 5時) (レス) id: c067c8d177 (このIDを非表示/違反報告)
mc.@こたぬき(プロフ) - 好きすぎる…!これからも頑張ってくださいね! (2018年2月10日 23時) (レス) id: e2df0854b1 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!! (2018年2月9日 23時) (レス) id: c067c8d177 (このIDを非表示/違反報告)
- オリジナルフラグ外して下さい (2018年2月9日 7時) (レス) id: 4f3584ea5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八咫烏 | 作成日時:2018年2月9日 4時

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