episode55 ページ6
SEHUN SIDE
月日が経つのはあっという間で、季節は夏から秋へ変わっていた
確かヌナを見たのは、ピンクの桜咲く春で
緑の葉っぱがオレンジ色へと変わる今
やっと僕はAさんをヌナと呼べるようになった
＊
SE「絶対嫌だよ！
ヒョンのバカ」
事の発端はベキョニヒョンの一言
文化祭Aと回ることになった、って言う衝撃的な一言
BK「えー、ダメだった？」
ヒョンが子犬みたいな顔をさらに子犬みたいに似せてきて
俺独り身で寂しいんだもん、だなんてかわいく言っちゃってる
でもでも、僕だってこればっかりは譲れない
SE「いくらヒョンでもダメ」
BK「なんでだよー
今更好きになったりしないし」
口を膨らませるベキョニヒョン
そんなことは関係ない
SE「そんなの分かんないじゃん！
ヒョンじゃなくても、ヌナが好きになるかもじゃんか」
BK「そりゃ俺はかっこいいし、いい男だけど
なんないよ、多分
多分ね」
SE「…もうヒョン嫌い」
BK「嘘だよ
じゃあ3人で回る？
どうせ誘う勇気ないんだろ？」
SE「…さ、誘うつもりだもん
2人きりがいいし」
BK「え？！まじ？それ本気で言ってんの？
それなら話は変わってくる
俺、適当に独り身のヒョンでも捕まえるから
お前頑張れ！今すぐ言ってこい」
SE「え？！今すぐ？！」
BK「もちろん！
あいつ保健室いるんじゃない？
今日当番でしょう
ほれ！行ってこい、セフナ」
なんでだか押された背中
少しの勇気で、何か変わるなら
今のこの変わり映えのしない、ただ見つめるだけの世界から抜け出せるかもしれない
…今なら、変われるかもしれない
保健室の前
日差しが差し込んで、ぽかぽかしてる
いつもより重たいドアを僕はゆっくりと
今開けた
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