ひまわり 2 (ページ42)

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episode91 ページ42

YOU SIDE

握られた手をぎゅっと握り返した

SE「…っ、ヌナ？」
震える声が私の耳に届く

セフナはやっぱりセフナだった

おっきくなって、見知らぬ人みたいに大人の男性になっていたけど
それでもやっぱり優しくて、甘いままのセフナだった
わがままでマイペースで、それでいて強気なセフナのママだった

許さないって決めたじゃない

あの日、からっぽになった瞬間

決めたじゃないか

大嫌いだって、もう忘れてやるって

…はぁー、セフナが大人になったみたいに
どうやら私も成長してたらしい

『…好きになるか、分かんないよ』

なに言ってるんだか
許さない、なんて言っておいて
セフナを目の前にしたらそんな決心がポロポロと崩れていく

SE「ヌ、ヌナ！！
ありがとう！ヌナ、ありがとう
本当に本当にありがとう！
僕頑張る」

分かんないって言ったのに、嬉しそうに笑って
私の手をまたぎゅっと握りしめるから、おっきな手に少しだけ安心する

さっきまで泣きそうな顔をしてたくせに、鼻の下伸ばしてニコニコ笑っちゃって

なんて、思いつつ
私も多分笑っちゃってるんだろうな

胸につっかえた何かがスッと消えて、心が軽くなる

視線を感じて、顔を上げると
さっきより一段と大人の顔をしたセフナが口を開く

SE「…ねぇ、ヌナ

セフナって言って」

その声はやけに澄んでいて、心の底にじわっとしみる

なんだか少しだけ、泣きそうになった