ひまわり 2 (ページ40)

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episode89 ページ40

YOU SIDE

SE「僕もね、外したことないよ」

そう言って、自分の腕にある水色の数珠を見せてくるセフナ

『なっ』

今そんな話してないじゃん！って言いたくなるぐらい、ぶっ飛んだ話をぶっ込んできたセフナ

そういうとこは変わってないんだなって思うと、ふわって心が暖かくなって
やっぱり目の前にいるのはセフナなんだなって意味の分からない実感を抱く

まさか、セフナもつけてたなんて

まさか、今日この日セフナに会うなんて

自分のピンクの数珠を無意識に隠してしまう

許さないなんて言っておいて、なんだか待ってたみたいじゃないか

SE「ヌナもでしょ？」

そうやって嬉しそうに笑うから、あの頃の気持ちにリンクする

『…』

SE「ヌナ、隠さないで」

その弱々しく笑った声や顔に私が弱いこと気づいてやっているのだろうか

隠さないでって、数珠に対してなのか
それとも、今は全く見えないセフナに対する気持ちなのだろうか

私の作ってしまった沈黙はやけに重くて、言葉も見つからなければ

適当に発する声もない

しびれを切らしたのか、セフナが息を吸う

SE「…決めた」

まっすぐ私を見て、そう言うから少しだけ
ほんの少しどきっとした

『？』

SE「ヌナが僕を許さなくてもいいや」

『へ？』

SE「僕を嫌いでもいいや」

『…』

SE「それでも僕は変わらずヌナが好きだから
もう一回頑張ることにする
ヌナに好きになってもらえるように、僕いっぱい頑張るよ」

そう言って私の手をぎゅっと握った