ひまわり 2 (ページ39)

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episode88 ページ39

SEHUN SIDE

沈黙は苦手だ

なにを考えたらいいのか、なにをしたらいいのか分からないから

沈黙は嫌いだ

その間考えたくないことばかり、考えてしまうから

ねぇ、ヌナ
もうあの頃には戻れないのかな

『…なんで』

SE「え？」

『わたし、あの時
ほんとにほんとに悲しかったんだよ』

そう言うヌナの表情はすごく辛そうで、ヌナを僕がここまで苦しめたんだって思った
分かってるつもりでいたけど、ちっとも分かってなかったんだって思った

SE「…ごめんね、ごめんねヌナ」

『許さないよ、バカ
悲しかったし、辛かったんだから
いっぱいいっぱい心配したんだから』

ヌナの声は震えていて、おっきな目には涙が溜まっていた
それでもヌナは泣かないように唇を噛み締めてる

SE「ごめんね、ヌナ」
なんて言ったらいいのか、声をかけていいのか分からなくて
頼りなくて、ダメな僕は心からの謝罪しかすることができない

『だから、許さないってば』
悲しそうな顔が少しだけ膨れた頬に変わる
その顔は迷ってる顔だよね、ヌナはあの頃と変わらず優しいんだ
許さなくていい僕を許そうとしてくれてるのかもしれない
そう思いながら、苦手な空気を飲み込むようにまばたきをした

その時目に入ったもの
あれ？その腕についてるのって…
見覚えがあって、懐かしさもある

SE「ヌナ、まだつけてくれてたんだね」

なに？と言いたそうに、眉を寄せる

ねぇ、僕たち
離れていたけどずっとそばにいたのかもしれないね