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episode87 ページ38
YOU SIDE
SE「あのね、夏休み
僕がいなくなった夏休み、僕アメリカに転校したんだ」
ポツリポツリと話し出したセフナ
アメリカに、転校？
頭の中に浮かんだ言葉は声にするつもりはない
SE「お父さんの仕事の都合で家族みんなで引っ越したんだ
あの時の僕はずっとヌナに言わなくちゃって思ってたんだけど
別れようって言われたらどうしようって
待っててって言って嫌だって言われたらどうしようって
そんなことばかりが頭に浮かんで、1人でもやもやして
結局何にも解決しないまま、黙ってアメリカに行ったんだ」
なに、それ
なにを言ってるの
頭の中が真っ白になる
まるで景色一面が雪で覆われているような、そんな感じ
SE「あの時の僕はそんな子供みたいな自分勝手なことしかできなくて
すごく後悔したんだ
アメリカに行ってもヌナのことばかりで、ずっとずっと会いたくて
ずっとずっと変わらずヌナが好きだったんだ」
ゆっくりと言葉を選ぶように、あの時の話をするセフナ
多分目は合ってるんだろうけど、お互いの思いが漂いすぎて視界が霞んで見える
廊下で女の子たちの笑い声が聞こえて
外からは男の子たちの部活の声が聞こえた
霞んだ中で、セフナと重なるあの頃のセフナ
ふにゃふにゃなセフナじゃなくて、芯の通った目をしたセフナ
その姿に私たちは大人になったんだなって思わされる
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