ひまわり 2 (ページ30)

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episode79 ページ30

YOU SIDE

目の前のジョンイン君がはやけに目をパチパチさせる
やっぱり言葉は発しないけど、それでもいつもみたいな不機嫌な顔はしていない

どちらかというと、難しい顔をしてる？気がした

『付き合ってたけど、セフナが急にいなくなってそのまま自然消滅
もしもう一度会えたら、文句言ってやろうって思ってたのに大したことなんにも言えなかった』

JI「…」
一切、口を開かないジョンイン君

『ごめんね、いきなり意味分からない話して』
一方的に話すのは、不安が私を覆うから
黙ってしまえばなにかに覆われる気がしたから

隣でゆっくりと視線を上げて、唇を触るジョンイン君は優しい声でこう言った

JI「…ホッとしたんじゃない？」

『え？』

JI「いきなりいなくなったから、もしかしたら死んでるんじゃないかって思ってたのかも」

あ、もしかしてこれジョンイン君流の励まし方？
すっごく分かりにくいけど、もしかして今私
励まされてたりしてる？

JI「だから、その…
えっと、なんていうか
優しいんじゃない、ですか？」

語尾がどんどんちっちゃくなっていくせいで、私が聞こえた言葉が正しいのかどうか怪しい

それでも、少し頬を赤らめて頭をぽりぽりかくジョンイン君を見るとあながち間違いじゃない気がした

『ふふ、そうかもしれない』
いつもと違ってやけに喋るジョンイン君
表情だってなんだか柔らかくて、ふわふわ浮いた気分になる

昔のセフナの笑った顔とか真剣な顔とか、キスをねだる顔が私を苦しめる

同時にジョンイン君の眠そうな顔や不機嫌な顔、顔をくしゃっとして笑う顔が私を包む

セフナとジョンイン君を天秤にかけるつもりはないけれど、私は一体誰が好きなのだろうか