ひまわり 2 (ページ29)

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episode78 ページ29

YOU SIDE

泣きたくなんてなかったのに、やっぱりセフナとの思い出は私の大部分を占めていて
声を聞いただけで、姿を見ただけで
一種の映画のようにあの頃の私たちがコロコロと姿を表す

ジョンイン君が泣くなら、泣いたらって真面目な顔で言うから
我慢していたものがスッとなくなって涙が止まらなくなった

すぐさま顔を膝に埋めると、背中に重みを感じる
その温もりがやけに私を安心させてくれた

＊

『…ごめんね』
少しして冷静さを取り戻す
なんだかやけに恥ずかしくなって、上げた顔をジョンイン君に向けられない

JI「ん」
言葉は短いけれど、なんだか優しい声に聞こえた

『…』
何にも言わない私に、ジョンイン君が覗き込んできた

JI「…今日は話さないの？」
いつもベラベラ話してるくせにっていたずら笑顔で聞いてきた

触れられるかな？って心配していた涙の理由には触れず、話をそらしてくれたみたいで

『あ、今日は最高気温がいつもより高かったよ』

JI「ふーん」
いつも通りの相槌なのに、いつもより優しく感じて
いつも通りこっちは向いていないのに、なんだか優しい瞳に感じて

ジョンイン君にも、私にも違和感

あ、ダメだ

めんどくさい女になる

分かってるのに、口が勝手に動いた

『…私セフナと付き合ってたんだ』

聞かれてないけど、興味ないだろうけど
誰かに、いや
ジョンイン君に聞いて欲しかった

ジョンイン君に話したらなら、私の気持ちにもう一度向き合えるようなそんな気がしたから