１５４話 ページ8
「っふふふ……ありがとう、やはり君達は面白い。
１週間後、お前達をイタリアに招こう。
ボンゴレがどういうものなのか、自らの目で見るのもいいからな。
準備、しておけよ？」
そう言って俺は"夜の炎"を使う。
漆黒の炎に包まれて消えた俺に、彼らは驚いただろうか。
俺は一人、【時空の狭間】という空間にきている。
ここには誰も来れない、俺の、俺だけの空間。
暗闇の中でひっそりと蹲っている俺は、未知の感情に襲われていた。
ああ、むず痒い。胸の中が温かい。
眼が熱い、何かが溢れて来る。
――嬉しいなあ、嬉しいなあ。
―――信じて良かった、信用してよかった。
次々と感情が溢れだす。
神だった頃は人間の感情を"理解"はしていたのに、"共感"はできなかった。
嬉しい、楽しいとはこんな気持ちなのか。
穢れて良かったのかもしれない。
堕ちてなければXANXUSという息子に出会えなかったし、沢田綱吉という友人にも出会えなかった。
人の縁とは奇妙なものだ。
たった100年生きるか死ぬかの瀬戸際に、くだらない事で争い、殺しあう。
だがその傍らで慈しみ、愛に満ち溢れ、こんなにも輝く。
――シルビ……お前の言う通り、人間は面白いな。
(願わくば、あの時気づいておけば良かったよ。)
俺は頭を振ってその後悔を振り払う。
ああ、早くあの子に会いに行こう。
少し離れただけで、こんなにも愛おしい。
俺は暗闇から抜け出して愛しい彼の目の前に向かう。
自分を包む炎が消え去った時、XANXUSは執務室のソファに座っていた。
デスクワークはとっくに終わっているらしい。
「…ザン」
「紫苑、……帰ったのか」
「ああ」
彼は指をくいくい、と引いて俺を招く。
単純なその動きでもこの子にかかれば妙な色気が出る。
それに応じて近寄ると、がしっと力強い腕に掴まれXANXUSの方に倒れ込む。
後ろから手が回されて彼の腕の中に包まれた状態だ。
寂しがりやの息子に、俺は呼びかける。
「ただいま」
「…………遅ぇ」
寡黙ではあるが、言葉を返してくれる。
寂しかったと言うように、ギュッときつく抱きしめられる。
愛を渇望するこの子に、俺も精一杯愛を与えよう。
まずは抱きしめ返して頬にキスでもするべきか？
ああでも、眠くなってきた。もう少しだけ、この温もりを……
愛を与え、与えられる。
その短い一生の中、懸命に生きて何かを遺す。
人間は……人は、綺麗だなぁ。
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misyou.go2(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！常識がちょっとずれた夢主なんでそう言ってもらえてうれしいです！これからも頑張りますので("´∀｀)b (2017年3月31日 20時) (
レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - おぅ……夢主らしいツッコミだな……。ハラハラドキドキで読んでます。これからも楽しみにしてます！ (2017年3月31日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 桜さん» な、なんと貴方からの応援…！ これは本当頑張らねばなりませぬな！！ (2017年2月14日 18時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いよいよ原作未来編ですね！ ものすごく楽しみです！ 今からすでにワクワク状態ですｗ これからも更新応援してます。 (2017年2月14日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 出席番号・32番さん» おお！ありがとうございます！ (2017年1月8日 9時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：misyou.go2 | 作成日時：2016年9月15日 14時
