１８８話 ページ49
殺気を目に宿した俺が投擲したのは分厚いガラスの酒瓶。
ラベルから"グレンフィディック1955"の50年物だろうが……まあいいか。
放物線など描かずに真っ直ぐ飛んだそれは、盛大な音をたててスクアーロの額に命中した。
バラバラと砕けたガラス破片が銀の髪に纏わりつき、綺麗ではあったが当の本人は違うらしい。
う゛く゛お゛ぉ……と額を抑えて耐える彼には、とても痛かったようだ。
まあ俺の気に障ったから、ということで許せ。
その様子を間近で見ていたXANXUSはしばらく静観していたが、どうも耐えられなかったらしい。
「ぶはっ！」と吹き出し、そのまま腹を抱えて動かなくなった。
時折肩が震えているのを見るに、声が出ない程爆笑しているのだろう。
「う゛お゛ぉい！ 笑うんじゃねぇ！クソボスがぁ！」
と叫ぶスクアーロを殴って黙らせる彼は、衝動が治まるのにまた数分必要とした。
その間俺は、大きな手で口元を覆い笑いを隠すXANXUSの様子をカメラで撮影していた。
何たって笑いのツボがなかなかにズレている彼の爆笑シーンなど、結構なレア物だからな。
それが俺を知らぬ彼であっても同じこと。
まあその理由も大体見当がついているし、原因はあのバズーカのような物だろう。
それからやっと衝動が治まったXANXUSは、この状況について説明した。
元来口数の少ない彼らしく、「お前は10年前から来た」というたった一言で終わらせたが。
そこで説明を引き継いだスクアーロが渋々ながらに先を言う。
あのバズーカらしき物は「10年バズーカ」という代物で、被弾者と10年後を入れ替える物らしい。
ただ『"俺"をという存在がない』ということは少々懸念を抱いているが。
とりあえず、この一件でXANXUSは俺に少々の興味を覚えたのだと言う。
「カス鮫が蹲る様子は滑稽だった」と嘲笑混じりに答えていた。
スクアーロが言った俺の能力も換算され、ひとまずここに置かれることとなった。
その中に監視という意味合いが含まれることには、目を瞑っておくとするが。
そしてスクアーロが言うにはこれから幹部と面会させるらしい。
10年後の彼らにはいささか興味はあるが、やはり俺のことは知らないのだろう。
「せいぜいあのカス共に殺されなきゃいいがな」
そう言う彼の目にもやはり"拒絶"という闇が渦巻いていて。
俺が死んだとしても「それがどうした」と嘲笑し、一蹴するのだろう。
それでもあの子と重ねてしまう自分に、吐き気がした。
嗚呼、早くあの子の元に帰りたい。
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misyou.go2(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！常識がちょっとずれた夢主なんでそう言ってもらえてうれしいです！これからも頑張りますので("´∀｀)b (2017年3月31日 20時) (
レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - おぅ……夢主らしいツッコミだな……。ハラハラドキドキで読んでます。これからも楽しみにしてます！ (2017年3月31日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 桜さん» な、なんと貴方からの応援…！ これは本当頑張らねばなりませぬな！！ (2017年2月14日 18時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いよいよ原作未来編ですね！ ものすごく楽しみです！ 今からすでにワクワク状態ですｗ これからも更新応援してます。 (2017年2月14日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 出席番号・32番さん» おお！ありがとうございます！ (2017年1月8日 9時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：misyou.go2 | 作成日時：2016年9月15日 14時
