１８５話 ページ46
「う゛お゛ぉい！聞こえてんのかぁ！？」
未だに濁声を張り上げこちらに殺気を向けるのは、まごうことなきスクアーロだった。
だが俺の知る彼とは違い、前髪も長く何より俺を知らないかのように振る舞っている。
よく見ると漆黒な筈の隊服もベージュのラインが入っており、少々違う。
剣先を俺に向け、鋭い殺気を放つそいつは――俺の知るスクアーロではないように感じた。
「……ああ、聞いている。
だがまずは名乗ってくれないか？ 色々と混乱しているのだ」
混乱する頭をおいておき、下手に出て問いかける。
余計に警戒させて戦闘になり、情報もないとなると目も当てられんからな。
一応納得はしたのか、剣を下ろし木に凭れ掛かるそいつは、
警戒しながらもゆっくりと名前を明かしてきた。
「オレはスペルビ・スクアーロ。
てめぇは何者だぁ？急に現れた挙句、オレの得物を横取りしやがって」
やはり彼はスクアーロらしい。
だが相変わらず俺を敵を見るかのように睨みつけ殺気を飛ばすその様は、最早別人だった。
「だがまずはてめぇに色々と聞きてぇことがある。
さっきの黒い影みてーなのと、てめぇ自身のことだ」
上から目線の物言いについ蹴り飛ばしてやりたくなるが、そうすれば意味がない。
だが急にそいつ――スクアーロが俺を俵のように担ぎ、勢いよく跳躍した。
「大人しくしねぇと叩き落とすからなぁ」と言う彼は、俺を妙なガキと認識しているようだ。
ガキ扱いは解せんが好都合なので大人しく担がれておく。
俺の知るスクより長い髪が正直鬱陶しい。
ものの数分で開けたところにでた。
目の前には城と見間違うほど大きい豪邸が見える。
あれはなんだ、と問うと意外にも「仮設アジトだぁ」と返ってきた。
長い廊下を歩き、下っ端とすれ違いながら、スクアーロは俺に忠告する。
「今からボスに会わせる。
変な真似しやがったらかっ消されるから覚悟しとけぇ」
変なところで気を遣うスクアーロに、俺はスクの面影を感じてくすっ、と吹き出す。
そんな俺を訝しげに見るスクアーロは重厚で両開きの扉をノックもなしに開ける。
無論、盛大な濁声を張り上げながら。
「う゛お゛ぉい！帰ったぜぇ！ ボスさんよぉ！」
「るせぇ」
ガッシャーンッ、と飛んできたグラスが中に入った琥珀色の液体ごとスクアーロにぶっかかる。
投げたのは思っていた通りの――いや、それ以上の色気と憤怒を感じさせる人物で。
その人物は俺に気づき、眉を顰めた。
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misyou.go2(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！常識がちょっとずれた夢主なんでそう言ってもらえてうれしいです！これからも頑張りますので("´∀｀)b (2017年3月31日 20時) (
レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - おぅ……夢主らしいツッコミだな……。ハラハラドキドキで読んでます。これからも楽しみにしてます！ (2017年3月31日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 桜さん» な、なんと貴方からの応援…！ これは本当頑張らねばなりませぬな！！ (2017年2月14日 18時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いよいよ原作未来編ですね！ ものすごく楽しみです！ 今からすでにワクワク状態ですｗ これからも更新応援してます。 (2017年2月14日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 出席番号・32番さん» おお！ありがとうございます！ (2017年1月8日 9時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：misyou.go2 | 作成日時：2016年9月15日 14時
