１８３話 ページ44
「貴様が何者か、白状させてやる！」
「『嵐ハイエナ』＜ｲｴﾅ･ﾃﾝﾍﾟｽﾀ＞を筆頭に攻めろ！」
各々が指輪に炎を灯し、その匣に注入する。
だが俺は別の物に気を取られていた。
――炎を灯せるリング、だと？
あれは歴史あるファミリーだけが代々受け継ぐべき格式ある物のはず。
なにせあれをつくるのに必須な石は、『７³』の原型となった護り石の、削りカスとも云える。
僅かな力しか宿っていないとはいえ、仮にもこの俺から生み出された物の一部。
７³やイーラに託した護り石の欠片―『虹の欠片』と同じ素材でもあるのだ。
いくら世界中に飛び散り地中深くに埋もれているとはいえ、
それを50人強はいる奴らに行き渡らせられるなど、余程の財力や知識がなければ不可能だ。
あいつらの親玉に、色々と問いただしてぇことがあるからな。
それにしても――
「いいな、あれ……！」
俺は思わず目を輝かせた。
奴らが炎を注入し、そこから飛び出たのは肉食生物。
しかも体に嵐や雷といった死炎を灯している。ただの動物、というわけではなさそうだ。
「まあ、今は関係ねぇか」
「何を……行けっ！」
司令官の命令と共に、嵐の炎を灯したハイエナ含め何頭もの猛獣が次々と飛びかかってきた。
グルグルと唸りながら牙を剥いて襲いかかる数十のそれに、俺は悠然と笑いかけ――
『やかましい』
一言、たった一言で戦況が大きく変わる。
「なっ！？」
「何故あいつを襲わない！」
「一体、なにを怯えている！」
先程とはうってかわり、尻尾を丸めキュンキュンと怯えて匣の中に戻っていく獣たち。
しっかしあの匣の構造はどうなっているのだ？ 是非とも創ってみたい。
大体、獣がこの俺に襲いかかられるわけないではないか。
退位したとはいえ、これでも獣の王たる存在なのだ。本能的に悟れるだろう。
人間は本能より理性が勝るから俺の本質に気づく者はそうおらんが、動物は別だ。
元来本能で動く生き物なのだから、母であり王である俺に逆らう奴はいない。
まったくそれすら理解できないとは、何とも愚かな奴らだ。
ただただ情報を与えただけだったなぁ？
嘲笑し、かかってこいと言わんばかりに挑発する。
「くっ……大人を馬鹿にするなよガキぃ！！」
ほら、簡単にのってくる。
短気な一人が激昂すれば、後の奴らもまるで雨後の筍のように続く。
さて、簡単な扇動はここまで。
尋問するのに50人もいらねぇし、間引きでもしよう。
俺は獰猛に嗤って奴らへ向き直る。
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misyou.go2(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！常識がちょっとずれた夢主なんでそう言ってもらえてうれしいです！これからも頑張りますので("´∀｀)b (2017年3月31日 20時) (
レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - おぅ……夢主らしいツッコミだな……。ハラハラドキドキで読んでます。これからも楽しみにしてます！ (2017年3月31日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 桜さん» な、なんと貴方からの応援…！ これは本当頑張らねばなりませぬな！！ (2017年2月14日 18時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いよいよ原作未来編ですね！ ものすごく楽しみです！ 今からすでにワクワク状態ですｗ これからも更新応援してます。 (2017年2月14日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 出席番号・32番さん» おお！ありがとうございます！ (2017年1月8日 9時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：misyou.go2 | 作成日時：2016年9月15日 14時
