不機嫌な彼を攻略するには２ (ページ14)

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続きは家帰ってからねページ14

Asaid

『としみつくん…』

床に座ってるとしみつくんの背中。

どうやらイヤホンして編集してたみたい。

すっごく集中してるみたいで、なんか声かけるの申し訳ないな…

としみつくんの真剣な顔…

かっこいい。

いつも私の前では優しい顔してくれるし、みんなの前ではおちゃらけて笑ってる。

あんまり真剣な顔してるの見たことなかったかも。

としみつくんをぼーっと見つめてると、気配を感じたのか、くるっとこちらを振り返って目が合った。

と「あ、ごめん。
気づかんかった。」

『あ、あの…えーっと……さ、撮影！
出番です！』

と「呼びに来てくれたの？」

コクコクと頷く。

急に目が合ってドキッとして動揺しちゃった。

と「ふーん、ありがと。
で、なんでそんな焦ってるわけ？笑」

『あせって、なんか…』

と「なんか顔も赤くない？」

ちょっと意地悪な顔でジリジリこっちへ近づいてくる。

真剣な顔に見惚れてました、なんて恥ずかしくて言えない…

としみつくんが近づいてくるから、私も少しずつ後ろへ下がる……けど、背中に壁が当たった。

『あの、みんな、待ってるから…』

と「俺の質問には答えてくれないんだ？」

『質問って…』

と「ほら。
ほっぺ、こんなに赤くなってる。」

としみつくんの指が私の頬をすーっと撫でる。

『そんな、ことないもん…』

と「なに、かわい笑」

これは…遊ばれている…！

私が恥ずかしがってるのわかっててわざとやってる！

と「ここ、家だったらすぐベッド連れて行きたい。」

『なに、言って……！』

私の髪をサラッとすくって、としみつくんの唇がおでこに触れた。

『としみつ、くん…』

たぶん今、私りんごみたいに真っ赤な顔してる…

スタジオで…キス、された…

おでこ、だけど。

と「続きは家帰ってからね。」

『っ……』

真っ赤な私を部屋に残して軽い足取りで撮影部屋へ歩いて行った…

なんだ、今の…

頭がぽーっとしてる。

としみつくん、なんか恋愛マスターみたいじゃなかった？

しかも、まんまとそれにやられた私。

続きって…続きって、なんだよぉ…

ドキドキして今お皿洗い任されたら絶対割っちゃいそう。

『顔洗ってから戻ろ…』