きんぱつ ページ11
としみつsaid
ネタ会議が終わって、事務所までAを迎えにきた。
駐車場に車をとめて、好きな音楽かけながら待つ。
早く会いたい。
しばらくして、出口から小走りで出てきて、周りキョロキョロしてるAを発見。
あー、可愛い。
小さくクラクションを鳴らすと、パッとこちらを見て、笑顔で走ってくる。
低めのポニーテルを揺らしながら、こっちへ向かってきていたのが、車から数メートル手前で足が止まった。
なんだ？と思って、車を降りてAの元へ向かう。
と「A。
どした？」
『としみつくん…髪……』
と「あー、うん、そう。
もうすぐライブだからさ、気分転換も兼ねて染めた。
…どう？」
『きん、ぱつ……』
何故か金髪眺めたまま固まってしまった。
いや、放心状態になるほど衝撃だった？
あんまお気に召さない感じ？
さすがにヘコむよ？
と「あのー…Aさーん？」
『あ、えっと……く、車！
迎えにきてくれてありがとうございます。
とりあえず車、乗ろ！』
ふいっと目を逸らして助手席まで走っていく。
俺もそれを追っかけて運転席に座った。
と「ねー、A。
どうしたの？
やっぱ金髪やだった？」
下向きながら頭をぶんぶん振る。
全然こっち見てくれない。
『あの…嫌なんじゃなくて……』
と「じゃあなんで目合わせてくんないの？」
『えっと……きんぱつ、かっこよくて、ドキドキして…』
と「…へ？」
『としみつくんなんだけど、としみつくんじゃないみたいで…
さっきからすごく、ドキドキしてる…』
な、に。
つまり、金髪の俺にドキドキして目合わせてくれなかったの。
なんだよそれ笑
そんな可愛い理由かよ笑
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作者名：mimi | 作成日時：2021年8月28日 23時
