二話 ページ4
有「 覚えて無いの！？ 」
有希子さん...否、お母さんは私に近付き肩をブンブンと揺らす
『 母さん、ストップ、ストップ 』
私の声が聞こえていないのか母さんの手は止まらない
その時、急に母さんの手が止まると低い声が聞こえてきた
「 有希子、落ち着きなさい 」
この声は...と思いその声の主の方を見ると矢張予測した通りの人物、工藤優作、新一君の父だった
母さんはパッと私から手を離し綺麗な手を合わせて「 ごめんね 」と謝る
私はその姿に見とれ乍『 大丈夫 』とニコリと笑って答えて見せた
工藤Aがどのような人物かは分からないがまずは性格をよく笑う子にしとこう
優「 A、何故此処にいるのかを覚えていないのかな？ 」
片手を顎にあてて真剣な眼差しを私に向けて聞いてくる
きっと今、私の事を考えているのだろう
私はコクリと頷いて見せた
優「 そうか、なら教えよう
まず、話す事は三つある。
一つ目、何故此処にいるのかはAが小学校下校時に横断歩道で引かれそうになった新一を助けて代わりにAが引かれたから 」
私は自然と私に抱き付いている新一君を見る
私はその姿から新一君は自分の所為だと思っているのではないかと感じた
其と同時に新一君を私がいる限り思う存分甘やかそう
私は可愛らしく私に抱き付いている新一君の頭を優しく撫でる
優「 二つ目、Aの足が動かなくなったから 」
その言葉で私の手は止まった
''足が動かなくなった''
其は一生、歩けないという事、車椅子生活という事だからだ
可笑しいとは思っていたのだ
母さんの肩揺らしの時、逃げようにも何故か足が動かなくて逃げられなかったから
私は脳内で繰り広げられる推理で納得した
優「 三つ目...此はもう理解をしているんじゃないかな？ 」
優作さんの方を見ると確信しているとでもいうような目で此方を見ている
その目を見ていると何となく何が言いたいか予測できた
優作さんは初めから気付いていたのだ
私が''工藤A''では無いという事に
『 そうだね 』
優作さんはふっと唇を上に上げて頷いた
優作さんが言いたいのはこうだ
''君はこの世界で生きていかなければならないのだよ''とね
優作さん...否、父さんと見詰め合っていると母さんが私に抱き付いた
有「 もう！優ちゃんたらAちゃんをそんなに見詰めちゃって！ 」
優「 有希子...何か誤解してないかい？ 」
こうして、私はこの世界で生きる事となった
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夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてます最近頑張ってください応援しています (2021年4月29日 19時) (
レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
華夜(プロフ) - (´・ω・`)さん» コメントありがとうございます。ですね(笑)発想すごいですよね。私も書いている内にそう思いました (2020年9月19日 18時) (レス) id: 38b6940bfc (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - あと降谷さんに一票 (2020年9月13日 23時) (レス) id: 8cd34875f0 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 夢主さん窓から逃げるってすごいこと考えますね(笑) (2020年9月13日 23時) (レス) id: 8cd34875f0 (このIDを非表示/違反報告)
華夜(プロフ) - わらび餅さん» 投票してくださってありがとうございます。体調の事まで気遣って下さってありがとうございます。更新頑張ります(*^^*) (2020年9月3日 19時) (レス) id: 38b6940bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華夜 | 作成日時：2020年6月28日 20時
