1344話 ページ44
✩
歌い終わると、新人さんたちはぽかんとしていた
皆して口開いてる…
｢ふふっ、これぞまさに王様の歌…♪｣
｢そうなんですか？｣
｢説明するとね、ス〜ちゃん。これはあるアニメの王家編にしか流れない音楽なの｣
｢こんなかっこいいのにBG感覚で流してるんですよ！凄くないですか！？｣
数日前に最終話読んで号泣したよね…
最近どれだけ考察やら小ネタ集やら漁りまくってたことか
…ってそうじゃなくて
｢あの…そんなに見られると、ちょっと緊張します…｣
｢…はっ！す、すみません！｣
｢かっけぇ…｣
ぐっ…本当は語りたくて仕方ないけど、今はレッスン中なんだから我慢我慢
放心状態の人ばっかりだけど、私のパフォーマンスはそんなにダメ、だったのかな
不安になって手を触ってると、指輪に触れた
…鳥……
｢ぐすっ…うあああぁぁ…先生、一生尊敬します……凛月見た？最後まで見た？｣
｢まだ見てないからネタバレやめて。けいちゃんかま〜くんにでも感動分かちあっといて…ふぁ、あふ｣
｢あのね、実は一話に…！｣
｢A待って！！俺も気になってるから！｣
何だかんだ言いながら凛月もそわそわしてるんだ
そりゃあんな名作だもん！
気にならない訳がないよね…♪
｢A先輩！｣
｢は、はい！｣
｢最初に会ったときは、あのKnightsにたった一人で刃向かう人にしては優しいんだなって思ってました｣
｢…｣
｢でも、今ようやく理解できました｣
私が漫画について話してる間、この人は真剣に自分と向き合ってたのか
その人はしっかりと私の目を見て言った
｢こんな強者と巡り会えたことに、心から感謝します｣
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年4月5日 0時
