【キ．ヨ】 レ ン タ ル 彼 氏 始 め ま し た 【実．況．者】

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『…ほんとに浮気じゃないですからね？』



「わかったわよ！勘違いしちゃってごめんなさいね？」





申し訳なさそうに手を合わせて誤ってくる店長

店長の勘違いもバイト終わりにやっと誤解が解けた。




『それじゃあお疲れ様でした』



ぺこりと頭をさげると「あ、まって！」と呼び止められる



ぱちりっ、と店の電気を消してから車の鍵と鞄を持つ店長




「夜も遅いし送っていくわね」



にこにこと笑いかけてくる



『え、いやでも私歩いて帰れる距離ですし、それにフジが、』
「だめよ、女の子が”1人”で夜道を歩くなんて。」




そこまで言うと店長が言葉をかぶせた






そうだ、


もう、フジは迎えには来てくれないんだ、






店長はわざと言葉をかぶせて私がフジの事を言わないようにしてくれたんだ、





私、なにいつまでもフジの彼女ヅラしてるんだろ、





もう、隣にフジはいないのに、








ふと、ほほに伝う何か




「え、やだ、Aちゃんどうしたの?!」



そんなに私が送るの嫌だった?!とわたわたと焦る店長




『ぇ、』




頬を触ると手が濡れた




なんで、



いまさらなんで泣いてんだ私、




『っ、な、んで泣いたりなんかしてるんだろ、』




ははっ、と笑顔を見せると頭に感じる温もり





「…むりしないでいいのよ。」




ぽんぽん、と撫でられる



フジもよく私の頭なでてくれたな、なんて思い出すとまた涙がこみ上げてくる




「取り敢えず車に行きましょうか？」と背中をさすられ店を出る





店長が店の鍵を閉めていると鞄からブーブー、と携帯が振動した




ぐいっ、と涙をふいてから携帯をとりだす


画面には[キヨ]と表記されている





え、キヨさんと携帯番号交換したっけ、なんて思いつつ、でないのもだめだと思い取り敢えずその電話にでてみる





『も、もしもし、？』



[おー、やっとでた]




『き、キヨさん、何で私の電話番号知って、』




[昨日お前が寝たあと勝手に交換した]




聞くとキヨさんは当たり前かのようにそう答えた


まって、色々とツッコミどころあるんだけど、






「[てかさ、俺いまお前迎えに来てんだけど]」



『、へ？』





ふと、違和感を感じる


なんで、キヨさんと電話してるのに、キヨさんの声が二重に聞こえるの、？





「[なんで、]」





いきなり電話が切れた





『え、キヨさ、』





がっ、と肩を掴まれる









「なんで、お前泣いてんの、」





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