【キ．ヨ】 レ ン タ ル 彼 氏 始 め ま し た 【実．況．者】

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『どうぞ』




そう言って部屋の鍵を開けるとおじゃしまーす、とズカズカと入っていった





靴を揃え、お邪魔します、というあたりレトルトさんか誰かに教えこまれたのかなと思う



ドアを閉めて家に入ろうとすると、中からキヨさんの叫んだ声が聞こえた





『ど、どうしたんですか、』




なんだと思い走って行くとキヨさんは驚いたように部屋の入口に立っている





『なんだ、何でもないじゃないですか、』




「…お前なぁ、何でもないじゃあるか！」





そう言うとキヨさんは軽く頭を叩いた





『いたた、なにするんですか！』



「なにするんですか！じゃねぇよ！この部屋なんだよ！！」




そう言って部屋を指さすキヨさん




『…おかしいとこなんてありますか？』




奇妙なことを言う人だなぁ、




「…おまえ女じゃねぇだろ」




失礼な事言わないでください！と怒るとキヨさんはまた私の頭を叩いた






「お前、部屋きったねぇんだよ！！！」





声を張り上げてそんなことを言うキヨさん




声でかいなぁ、と思いながら耳を塞ぐ





「おま、耳塞ぐんじゃねぇ！！」




『うるさいなぁ！どこが汚いって言うの！！』




耳を塞いでいた手を無理やりはずされる



ちゃんと床も見えるし、どこに何があるかわかるしほんとどこみて汚いって言うのさ！





「…やめだやめ、」




呆れたようにそんなことを言うキヨさん

え、なにがやめなの、





もしかしてレンタル彼氏やめてくれるの、と嬉しがるとキヨさんは持っていた荷物を廊下においている





「俺がせっかくお前惚れさすために完璧なデートプラン用意してたけどやめた、

今日は掃除だ。お前も準備しろ！」





なにそれうれしくない






『えー…』



「えー、じゃねぇ！はやく準備しろ！」





そう言って部屋の中に足を踏み入れていくキヨさん



デートも嫌だけど掃除も嫌だなぁ、と思いながら私も部屋に入って行った




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