356.別れよう ページ7
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「…でも、今更…今更、どうすればいいんですか…？私、ベッキョニオッパのことも、好きなんですよ…？」
「…うん、ありがとう、そう言ってくれるのは嬉しいよ」
ベッキョニオッパはにっこりと笑う。
「楽しかったよ、Aちゃんとの生活。ご飯は美味しいし、一緒にいると癒されるし。…ほんと、楽しかった、ありがとね」
「ベッキョニオッパ…」
そんな、まるで…
「覚えてる？俺たちは、仮、の恋人だって」
『お試し期間1ヶ月！それまで俺のこと恋人だと思って過ごしてみて。もし1ヶ月後、まだ俺と付き合いたいなら…そのまま付き合おう。やっぱり違うってなったら…その時は、俺たちが付き合ったことは、無かったことにしよう』
「まだ、1ヶ月経ってないけどさ」
ベッキョニオッパは、一息置いて。
「別れよう、俺たち」
「え…」
「無かったことに、しよう」
そんな…
『Aちゃんは俺の彼女だから…よろしくね』
『どうすればって…Aちゃんの好きなようにしていいよ』
『Aちゃんも、俺に甘えて良いんだよ』
たくさん、ベッキョニオッパは、私に恋人との接し方を、教えてくれた。
私に愛を教えてくれた。
「短い間でしたが、ありがとうございました！」
サッパリとそう言うベッキョニオッパに。
「…無かったことに、なんて…できないです…っ」
私は、未練たらしいんだろうか。
「…あはは、そっかぁ…」
困ったように笑うベッキョニオッパ。
「セフンのこと、嫌いになったら、また俺のところ来なよ」
「っ…は、はいっ…」
「もし本当にセフンと付き合えたとして、やっぱりベッキョニオッパの方が男らしくて優しくてかっこいい〜、ってなるかもしんないしさ」
そう言うと、ベッキョニオッパは立ち上がる。
「さ、荷物まとめて！」
「えっ？」
「彼女でもない子を家に泊めるほど、俺、優しくないよ？」
「そ、そんな…」
そう言ってるけど、きっと、ベッキョニオッパは。
「あるでしょ、Aちゃんには。帰る場所」
『わ、たしっ…かえる、ばしょ…あそこしかっ、ないん、ですっ…！』
ここは、ちょっと泊めてもらっていただけで、私の家じゃない。
帰る場所と言えば、あそこしかないのだけど…
「…どういう顔をして、帰ればいいんですか…」
「さぁ。聞いてみれば？相談屋さんに」
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作者名：LUKE | 作成日時：2022年12月15日 3時
