リナリアに苦悶する 8 (ページ4)

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353.気付いてページ4

＜セフン＞

「はーっ…」

だいぶ、1人のこの部屋にも、慣れた。

ただ…寝付きは、良くない。

ここ最近、やっとの思いをして寝る。

前までは、どうしてたっけ。

…あの子の、温もりを…

ブンブンと頭を振る。

あの子は、今、ベッキョニヒョンといて幸せなんだから。

見たじゃないか、幸せそうに、2人が話している所を。

もう、あの子が帰ってくることは、きっとない。

…やっぱり、あの子のことを考えちゃう。

なんなんだ、これ。

『あなたが私へ抱いてるのは、立派な恋愛感情だよ、気づいて、って意味だったみたいです』

…そういえば、恋をすると、その人のことばかり考えてしまうって…

いや！今、もし、恋をしてしまったところで、意味が、無い。

…意味が、無いんだ…

『セフン、さん』

…あれ、A…？

気がつけば、ここにいるはずのない彼女が、仰向けの俺に覆い被さるような体制で、いた。

『セフン、さん…』

Aが、俺の胸板に手を置く。

な、なんだ、これ。

『A…っ！！』

キス…してる。

Aが、俺に、キスしてきた。

久しぶりの、Aの唇だ…相変わらず柔らかい…

ドクンッ、と、何か熱いものが込み上げてくる。

『はぁっ…』

唇を離したAの表情は、見たこともないくらい、とろんとしている。

その顔に見惚れていると、

『っ！？A！？』

突然Aが、パッと急に、裸になる。

そのまま、また俺の胸板に触れると、俺も、パッと裸になった。

『セフンさん…大好き、です…』

素肌の胸板に、Aが手を置く。

ちょうど心臓の上で、Aの手のひらから温もりが直接俺の心臓に届いて、ドクンッと跳ねた。

『…俺も、好き…』

口が勝手に動く。

『それは、恋愛的に？』

『…恋愛…』

この感じは、恋愛？

俺にそんなこと聞かれても、分かんないよ、A。

『気付いて』

『え？』

『はやく、気付いて、セフンさん』

『…何、が…？』

俺が呆気に取られていると。

『っ！？！？』

俺の中心に、熱を感じる。

下を見れば、Aが、俺のモノを、握っていた。

そしてソレは…Aの手の中で、硬くなっていた。

『気付いて、セフンさん…』

「うわあぁぁっ！！！」

目が覚めて、バサッと布団を退けて上半身を起こす。

…なんだったんだよ、あの夢…

と、下半身に違和感。

見れば、自身の中心が、やけに、その存在を主張していた。

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