リナリアに苦悶する 8 (ページ22)

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381.嫉妬深いページ22

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「ねぇ、A。でもさ…ちょっと…」

「なんですか…？」

ずっと頼り甲斐のある雰囲気を醸し出していたセフンさんは、急に心配そうな表情になった。

「大学、行きはじめたら…一緒にいれる時間、減るよね…？」

「ま、まぁ、そう、ですね…」

それは確かに…私も、寂しい。

でも、セフンさんのためだし。

「それに…」

セフンさんは、私の肩に顔を埋める。

「…俺より若くて、かっこいい男たちが、たくさんいるでしょ…？」

すりすり、と頭を私の肩に擦り付けるセフンさん…

「目移り、しないでね…？」

ずきゅーーーん！！

殺傷能力高すぎる、今の言葉…！！！！！

不安そうでか細い声でそんなこと言われたら…

「もちろん！！もちろんですよ！！！」

…ていうか、それは嫉妬だよね？他の男に取られたくないっていう、独占欲だよね？？

もう…セフンさんは、私に恋愛感情を抱いてるんじゃないか…？

「約束。俺はAをサポートするけど、絶対他の男に目移りしないこと」

「はい、分かりました」

私は、これからもずっと、セフンさんだけを見ると、誓う。

セフンさんがいれば、私は幸せだもん。

こんなにかっこよくて、頼れるところがあって、意外と人懐っこくて、でも抜けてるところも多くて可愛らしくて、

「…ていうか、男と仲良くならないで。そもそも話さないで。話しかけられても全部無視して。あ、女の友達も、仲良くなっても仲良くするのは大学の中だけにして、授業の間とかだけにして、俺との時間を優先して、それで、」

…めちゃくちゃ嫉妬深い。

まぁ、そういうところも、全部セフンさんだと思えば。

途端に、愛おしくなる。

「分かりましたってば！」

「…ならいいけど。…あ、そうだ」

セフンさんは何かを思い出して立ち上がり、なにやらデスクの引き出しを開けて、紙を取り出して持ってきた。

「なんですか？それ」

「覚えてないの？」

私に見せてきた紙。そこには…

『なんでも言うこと聞く券(1回限り有効)』

と書いてある。

「これ…あ！！」

『これ…あげるので…ベッキョニオッパと2人での外出を、許してください』

『…なんでも言うこと聞く券…？』

『は、はい…』

いつぞやに私が渡したやつ…

「俺だけを見てて。俺も、Aだけを見るから」

そんなもの無くても…

「当たり前ですよ！！」

ぎゅっ、と抱きついて、そのまま頬っぺたにキスしてやった。

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