352.おれは、知っている ページ3
＜ベッキョン＞
「んっ…あっ、おっぱっ…‼︎なんかっ…、だめっ…‼︎」
「ん、イきそ？」
「あっ…うんっ…‼︎」
「いいよ、イッて」
「あぅっ…んっ…あぁっ‼︎」
突起とナカを撫でられながら、達するA。
「はぁっ…はぁっ…」
初めて誰かにイかされて、放心状態になっているだろう。
顔が熱って、目はとろんとしてて…ヤバい。
ナカも解したし、挿れて…大丈夫、だよな…？
俺は、ヘッドボードの棚を開けて、ゴムを取り出す。
…いいん、だよな？
ここまで来たのに、そう戸惑う理由。
それは…
『なんで、言ってくれなかったの』
Aの甘い声が無くなって、はっきり頭に響く、その声のせい。
俺は…セフンに、言ってないことがある。
それは、セフンにも恋愛できる可能性がある、ということ。
彼にとっては…すごく、大事なこと。
なのに、俺は…俺は…
Aを、自分のものにしたいがために、黙っている。
欺いている、彼を。
そして、Aのことも。
Aも、知らない。俺が、教えてないから。
『Aちゃんがアセクシャルって言葉知っちゃったから、デミセクシャルって言葉を教えといて』
そう、ミンソギヒョンに言われたのに、俺が、自分のことしか考えずに…
と。
「っ…」
鼻をすする音で、ハッとする。
見下ろすと。
…Aが、泣いていた。
「…A…」
俺は、何も言えなくなる。
「おっぱ…はやく、いれて…っ」
両手で目を隠して、そう言うA。
そのセリフだけ聞けば、この上ないほど興奮するはずだけど。
…だけど。
「…いいよ、A」
俺は、知っている。
「っ、おっぱ…いれて…」
Aの声に、俺は…
「いいよ、無理しなくて。ごめんな」
持っていたゴムを、棚にしまった。
そして、ベッドから降りて、Aに布団を掛ける。
「ちがっ…おっぱ…っ」
「今日は寝な。明日、話したいことがあるから」
俺はそう言って、Aの頭をポンポンと撫でて、少し離れた。
「っ、いか、ないで、おっぱっ…」
「…そうしたいけどさ。泣いてる好きな子1人置いて行きたくないけどさ。…俺の息子が、言うこと聞かなそうだから、辞めとくよ」
この熱を、収めないとね。
「べっきょに、おっぱ…」
俺は、知っている。
「おやすみ、A」
『私…セフンさんと、恋愛、したかった…』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：LUKE | 作成日時：2022年12月15日 3時
