379.やりたいこと ページ20
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思いついたこと。セフンさんを、理解できるようになるかもしれない方法。
でも、色々壁がある。
本当に、できるのかな。
「あの…セフン、さん」
家に帰って、リビングで2人でダラダラしている時。
美術館で思いついたからというもの、いつ話そうか、と悩んでいたが、ついに切り出す。
「うん」
その口調は、私がずっと何か言いたかった、ってことを察しているような感じだった。
「あの、ですね…」
「なぁに」
セフンさんは、ひょい、と起き上がって、いつものお客さんが来た時のセフンさんの定位置に座る。
私が、何かを相談しようとしているのを察してだろう。
「やりたいこと、見つけました…」
「やりたいこと？」
「はい…その…」
セフンさんに迷惑、はかけないだろうけど。
自分の人生に関わることだし、さっき思いついたことだからまだどうやったらできるのか調べてないし、そもそも私にできるのかな…
「Aちゃん」
「は、はい」
「もー、そんなに俺頼りない？」
「え？い、いやそんなんじゃないですけど！」
「俺の仕事、一番近くで見てきたでしょ」
確かに、普段はこんなだけど、相談屋の仕事をしている時のセフンさんは、世界で一番かっこいい。
「言ってごらん。俺がAのこと否定するわけないし」
「は、はい、じゃあ…」
意を決して、私は言うことにした。
「だ、大学、行きたい、です…」
「大学…？うん、行ったらいいんじゃない？」
「で、でも、お金もかかるし、だいたい学力も、もう勉強なんて忘れてるし…」
「うーん」
セフンさんは考えてから、
「ちょっと待ってて」
そう言って立ち上がり、パソコンを持って帰ってくる。
「えーっと…」
カタカタと何かを調べ始めるセフンさん。
「…うん、奨学金あるみたいだよ。まぁ貸与型だから、返さなきゃいけないみたいだけど」
私は、驚いた。
いつも、相談屋の仕事は、セフンさんの経験則から悩みを解決することが多いから。
ちゃんと私のために調べてくれるなんて。
「それに、国立なら…このくらいか」
「あ、せ、セフンさん」
「ん？」
「あの…私、キムジョンデさんのところで学びたくて…」
「キムジョンデ…あぁ、ミンソギヒョンの友達であの社会学の准教授？」
「はい…」
「えーっと…キムジョンデ、社会学部准教授…この人…だ。国立大みたいだね」
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作者名：LUKE | 作成日時：2022年12月15日 3時
