372.素直になられたら ページ13
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そりゃあもう、たくさん傷つけられたよ、セフンさんには。
女として見られてないって散々思わされて。
突然私のことを突き放して。
でもそれは、全部私のことを思ってのことだった。
セフンさんが、恋愛できない自分といるよりも他の人と一緒になった方が幸せだって、思い込んでたから。
だけど…私の気持ちも、ちゃんと聞いて欲しかったよ。
私に、相談、してほしかったよ。
「これからは、ちゃんと私にも相談してくださいね？私にすぐ聞いて…1人でなんでも決めないでくださいね！」
「…うん、分かった。ごめんね」
あのセフンさんが、こんなに素直に謝るなんて。
よかった、ちゃんと、セフンさんの想いが聞けて。
よかった、ちゃんと、私の想いが言えて。
…あれ、なんでこんな流れになったんだっけ。
「…あ、ジュンミョニオッパ！！」
ハッ、としてセフンさんから離れて周りを見るが、いつの間にかジュンミョニオッパはいなくなっていた。
「気を使って帰ってくれたんだろうね。ほんと、急に来て急に帰る」
「はは、まぁそうですね…」
ジュンミョニオッパって、なんかバッチリなタイミングでいつも来てくれるような。
『…ヒョン、そんな説教をするために来たの？』
『あぁ…そうだった。Aちゃんに渡したくて…これ』
あ、あの時もらった美術館のペアチケット、どこにやったっけ。確か、期間限定展示とか言ってたけど。
「えーっと、あれは…」
「どうしたの、Aちゃん」
「確か…」
ここの棚に…あった。期限は…
「明日！！」
「え、何が？」
「明日までです！ジュンミョニオッパにもらった美術館の期間限定展示のチケット！」
「あー…あったね、そういえば。行きたいの？」
「行きたい、です…」
「そっか。じゃあ、明日行こ」
「え、いいんですか！？セフンさん、あんまり美術とか興味無さそう…」
「はーっ！さっき言ったじゃん！ずーっと一緒だって！…俺は、Aと、一緒にいたいって…」
最後の方、もごもごとした口調になるセフンさん…
そ、そんな、恥ずかしそうに、素直に、一緒にいたいって…その…あのっ…！！
可愛いっ…！！！
「…そんな照れないでよ。いちいち」
「いちいちって…！！私にとっては…」
「あー！あー！…照れた顔がかわいいの」
「…うっ…」
やっぱり、ダメかもしれません。
素直になられたら…その…
私の命がいくらあっても持ちません…。
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作者名：LUKE | 作成日時：2022年12月15日 3時
