夢の中で逢える人【wtnb】

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あの幸せな夢を見れた日から数日が経過し、私のメンタルは崩壊寸前だった。

あれだけ幸せな夢を見たのに？と疑問に思うかもしれないが、やはり夢は夢で、覚えてるところもあるが少しずつ記憶から消えていっている。元々物忘れが多い私にとって記憶の保持ほど難解なことはなかった。

それに、新年度になり進級した子どもたちは良くも悪くもソワソワして落ち着きがなく、3月までの落ち着きっぷりが嘘のように荒れ放題だった。初日から友達に噛みつき保護者に謝罪、2日目は別の子に噛みつき保護者に謝罪、3日目は何事もなく過ごせたが、4日目で二度同じ子が噛まれ保護者に謝罪。前年度から噛みつきをする子がいて、職員間で気をつけていきましょうと話し合ったばかりなのに立て続けに事が起きてしまった。

年齢的にまだ上手く言葉が出なく、自分の気持ちを伝えることができないから噛んだり物を投げたりして気持ちを表していることは分かっているのに、複数人職員がいるのに被害を止めることができない自分に泣きたくなる。

保護者の方は「大丈夫ですよ」って言ってくれてるけど、自分の子どもが噛まれてアザになるような怪我をして大丈夫な訳がない。もっとあの時こうしていれば、もっと素早く止めることができたら、なんて、何度思ったことか。


「クラスを任されるってこんなにも大変だったなんて思わなかったな…」


今までは先輩がいて、指示されるまま動いていたからラク(全てがラクだったわけじゃないけど)だったし、立場的にも先輩に守られてたから分からなかったことが、ここにきてドッと押し寄せてきた。


「あー…やばい、泣きそう、」


ベッドに潜り目を閉じると同時に頬に何かが伝う感覚がした。

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