夢の中で逢える人【wtnb】

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「あれ！A髪切って…染めた？」
「よくぞ気づいてくれました！プリン化も進んでたし長いのにも飽きてきたから思い切っていっちゃった」
「長いイメージが強かったけど短いのもいいじゃん！それ暗めの…赤？」
「そう！ブリーチは流石にできないから暗めで色入れてもらったの。でも光にあたると結構赤いっていうね」
「職場に言われないなら気にしなくていいんじゃん？似合ってるし」
「色落ちして結構な金髪でも言われなかったから多分平気！もし言われたら素直に謝る」
「それがいいよ」


こうちゃんが夢に出てきても驚かなくなってきた今日この頃。むしろ段々余所余所しさが抜けて仲良くなってるとすら思う。それって逆にどうなんだろ…って思わないこともないけど、まぁ現実世界のこうちゃんとは限らないからそこは割り切っていきます。

あと切ったとか染めたことに気づいたこともそうなんだけど、サラッと似合ってるとか言うのやめてほしい。だいぶこうちゃんのさり気なく褒めに来るスタイルを分かってきたとはいえ、不意打ちにはまだ弱い。だって推しに褒められて嬉しくない人いる？いないよね。


「こうちゃんは昔の短い時のも嫌いじゃないけど、今の長さくらいが一番好きだからそのままでいてね」
「特に髪型とか気にしたことないけど、別に今やりたい髪型とかないし何もなければこのままだよ」
「ぜひ現状維持でお願いします」
「分かった」


乾さんみたいに普段から派手髪ならあれだけど、こうちゃんは私が見始めたときからサラサラの黒髪だったから今から染めるってなっても多分違和感だと思うんだよね。似合わないわけないと思うけど、今の髪型が自分の中でしっくり来すぎて想像すらつかない。


「…なーんか見慣れないから変な感じする」
「そんな？」
「いや似合ってるけどさ、イメージがガラッと変わったから一瞬気を抜くと誰？！ってなる」
「大袈裟じゃない？」
「そんなことないって！大真面目だって！」
「そんなもんなのか…。前と今どっちがいい？」
「んー…どっちでも良かったけど、強いて言うなら今かな」
「……ほうほう」
「ぶっちゃけその人に似合ってれば何でもいいと思うけどね」
「まぁそれはそう」


少し悩む素振りを見せたこうちゃんが私の髪をサラッと撫でた。その時一瞬息が詰まる感覚がして返答が少し遅れる。だから不意打ちには弱いんだって！それを無意識でやるんだから本当にたちが悪い。もっと私の心臓を労ってほしい。

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