夢の中で逢える人【wtnb】

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「そういえばあれから仕事の方はどう？大丈夫？」
「んー…まぁ、、なんとか？」
「そっか。小さい子って可愛いけど未知の存在だよね。思考とか小さい子独特なことがあるし、上手く言葉で伝えられないから別の方法で表現するし、それを全員分読み取らないといけないんだから保育士さんって本当にすごいと思う」
「えーーーなんでそんな急に褒めてくれるの？今涙腺緩いからやめてぇ」
「思ったことをそのまま言っただけだって。っ待って待って泣かないで！」
「ううう泣くつもりなかったのにいぃぃ…。こうちゃんがそういうこと言うからぁぁぁ」
「ごめんって！」


仕事の話を振られて、荒れ放題のピークは過ぎたと思うけどまだまだ慌ただしい部分は多いから悩みは尽きなくて。ただ、あの時ほどつらいかと言われればそうではなく、まだいけるけど疲れたなっていうくらいのレベルだった。

しかし社会人になってからというもの、涙腺が日に日に緩くなっているのでそれプラス疲れてる状態プラスあまり普段褒められないから褒められるとグッとくることが重なり、またしてもこうちゃんの前でボロ泣きするという失態を犯してしまった。


「風呂入ったし匂いは平気だと思うけど嫌なら突き飛ばしてよ」
「推しにされて嫌なことない…むしろまた涙で濡らしちゃうのごめん…」
「そういえばA俺のこと推してたね…。てかそんなのどうでもいいってこの間も言ったでしょ」


この間みたいにぎゅうっと抱きしめてくれて、背中を擦ってくれる。仕事のときは私が抱きしめる側なのにここ(夢)にくるとされる側になる。手つきが完全に子どもをあやすそれだから子ども扱いしないでと言いたいところだけど、不思議と落ち着くから言えない。……こうちゃん保育士の才能あるのでは…？


「……こうちゃん保育士向いてるよ」
「えぇ？なんでまたそんな話になったの」
「子どもをあやすの上手そうだし、優しいから子どもに絶対好かれるよ」
「嬉しいけど今の仕事が一番楽しいから無理かな」
「知ってる。今の仕事やめたら私が病む」
「本人より重症じゃん！」
「推しが活動引退する時ほどしんどいものはないよ。だから深い意味はないの」
「そういうことね」
「まぁ強いて言うならいいパパになりそうってところかな」
「現役保育士さんに言われると説得力が違うね」
「でしょ？」


涙は止まったけど離れるタイミングを見失ってそのままこうちゃんの腕の中。ドキドキもするけど不思議と落ち着くんだよね。

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