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第十八話 校舎の裏 ページ19

また、クラスの注目を浴びてしまった。

穂乃果は朔夜と走っている間にも、何度も何度もため息を吐いていた。

「なんでそんなに元気なさそうなの?」

そんな穂乃果を見て、罪悪感のかけらも感じていない朔夜は首をかしげる。

「あんた、誰のせいだと思って……」

そしてまた、穂乃果はため息を吐くのだった。


* * *


廊下を歩いていた生徒たちをすいすいとかわしていき、靴も履き替えないまま校舎を飛び出した。

校舎を出た時にはもちろん穂乃果は何度も朔夜に呼びかけていたが、朔夜はそんなのももちろん気にもしない。

「ちょっと! 上履きのまま校舎の外出たら、規則違反じゃん!」

「きそく? なにそれ! 聞いたことない単語だし、分かんないよ!」

「はぁ!? ふざけてんの!?」

そんな会話のやりとりをしながら、生徒の間をうまくすり抜け、走り続ける。

まるで風のように走り抜けていくので、生徒たちは頭の上に「?」を浮かべている。

そして、やっとこ着いた場所は、朔夜があらかじめ頭の中で決めていた「校舎の裏」だった。

「わ、訳わかんない……! なんで、こんな初対面の奴なんかと、私……校舎の裏なんかに……!」

ゼェゼェと息を切らしながらも、穂乃果は頭を抱え込む。

人が苦手で、話すこともままならないのに、こんな二人っきりの状況にに陥ってしまうなんて。

「なんで……? うぅ、朝のニュースで私の星座一位だったのに……嘘つかれた……」

パニック状態の穂乃果を見てさすがの朔夜も慌てだす。

「ど、どうしたの!? 本当に、元気ないね!! もしかして、この場所がダメなの……!?」

そのとおり。だから、早く場所を変えて……! できれば、教室に戻ろう!

穂乃果は必死に目で訴えた。

「……じゃあ、早くオレの話を終わらせないとね!」

穂乃果はまた二人だけの会話が続くことを悟った。

「…………」

穂乃果はパニックを通り越して放心状態になってしまった。

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凍夢(プロフ) - おもしろいです!続きがきになるので続きをお願いします (2018年7月17日 0時) (レス) id: 00e413b96f (このIDを非表示/違反報告)
アナナス - 面白いです、続き待ってます。 (2017年7月4日 16時) (レス) id: c0c87a14c1 (このIDを非表示/違反報告)
闇風ヤク@アニオタ重症(プロフ) - 面白いw更新楽しみにしてる!!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2014年8月10日 14時) (レス) id: a55c4f8740 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - なかなかです。続きが気になります頑張って下さい。 (2014年6月22日 18時) (レス) id: baa4070149 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナレシア(プロフ) - これ面白すぎる(>∀<)こういうの好きなんですよ〜♪続きが楽しみです!! (2014年6月21日 9時) (レス) id: 107d52b62e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aru | 作成日時:2014年5月27日 23時

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