は ち ページ11
万里side
次の日の日曜日、衣装作りで忙しいらしい幸におつかいを頼まれ(パシられ)
俺はまた、カナリア堂へ向かっていた。
《赤のサテン布 2.5
ミシン針 11号 2本
刺繍糸 25番糸 カラー 28、13、17それぞれ2m2束ずつ》
手元のメモをもう一度見てみるが、全く分からん。
｢あ、万里くん！いらっしゃ〜いっ。｣
ふわふわの声が聞こえて、中からAさんが出てきた。
｢っス。｣
また無愛想な返事をしてしまったが、チラッとAさんの顔を見ると別に気にしてはなかった。
｢あ、メモ持ってるね、幸くんからおつかい頼まれた？
ふふ、年上の子 こき使うって流石だな〜〜。｣
『どれどれ…』
と言いながらAさん、俺のメモを覗き込んできた。
ち、近い…。
｢ふんふん、赤のサテン2.5、11号が2本、25の13、17、28が2。｣
メモの内容を 俺には更に分からなくした 暗号のようにAさんから繰り出されたそれらは、
勿論俺には分からなくて、うんともすんとも 言えず、宙に浮いた。
｢っはは、ポカーンって顔してる。
大丈夫だよ、通ってたら、覚える。｣
『通ってたら』
その言葉は、どうにも嬉しかった。
Aさんが、俺を受け入れてくれてるような気がして、堪らなかった。
｢万里くん、ちょっと待っててね、商品取ってくる。｣
Aさんは言うなり、階段の方へスイスイ向かっていった。
｢っあ、はい、お願いします。｣
棚がひしめき合い、通りやすいとは言えない狭い通路を、
あんな、泳ぐみたいに滑らかに通れるなんて。
あの人、天使じゃなかろうか。
しばらく待っていると、布と小さな袋を抱えたAさんが降りてきて、
必死に片手を空けて俺を手招いた。
((わあ、遠目でも綺麗な顔してるな、万里くん))
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三ヶ縞 そう(プロフ) - なかやさん» その通りです！ただですね、脳内で呼ぶ時に監督ちゃんだとちょっと親しみがですぎるかなと書いてて思いまして…勝手ながらいづみさん呼びにさせて頂きました…！ご指摘ありがとうございます！ (2018年8月18日 21時) (
レス) id: be0f3094b7 (このIDを非表示/違反報告)
なかや(プロフ) - 万里くんは、いづみちゃん(監督)のことを監督ちゃんって呼んでますけど…(わざとでしたらすみません！) (2018年8月18日 15時) (レス) id: 7dbd32ccfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三ヶ縞 そう | 作成日時：2018年8月13日 13時
