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「じゃあ、何者かがその書類を偽造し、ご遺体を持ち出した…？でも何故そんな事を…」
所長があ然としながら、眉を寄せる。
そんな所長に、私が蚊の鳴くような声で言葉を漏らす。
「父は13年前の犯人じゃないからです」
「は、犯人じゃない…！？」
今度は毛利さんが立ち上がる程驚愕し、その大きく荒げた声は会議室の外の皆にも聞こえたようで、一斉にこちらを向いていた。
「思い出したんです。犯人は首に古傷があった事を。でも父の首にはそれが無かった。
つまりこの書類を偽造した人は、これ以上調べられないよう、遺体諸共消した」
「いや、それだけで犯人じゃないと言うには…」
毛利さんは、フラフラと椅子に倒れこむように、席に着く。
確かに、まだ確固たる証拠は無い。しかし
関係の無い人が、ここまでやるとも考えにくい。
「Aさん、遺体の火葬場が分かりました」
会議室の扉をノックし、向島さんが住所の書かれた紙切れを私に渡す。
「ありがとうございます」と言い終わる頃には
私はもう既に会議室を駆け出していた。
「おい、車回してやるからちょっと待ってろ」
会議室の外にいたにも関わらず、中堂先生はいち早く状況を把握し、ソファから立ち上がる。
そんな先生の言葉は、今の私の耳に入ってくる事は無く、オフィスを抜けて行く。
エレベーターを待つ時間さえ惜しく、階段を勢いよく降ってラボを出た。
歩道を歩く人を掻き分けて、いつしか手に持っていた住所の書かれた紙切れは、風に流されていた。
しかし、それに気がつかない程に私は必死に足を動かしていた。
私はまだあなたに伝えたい事が山ほどある
あなたに聞きたい事がもっとある
待って、いかないで………！
「＿＿お父さんッ！！」
走り始めて随分経った頃、ようやく火葬場に辿り着いた私は職員の制止も聞かずに、祭壇の前にしゃがみ込む。
「まって……まだ…私は……」
肺に入る空気は冷たく、息をするのさえままならない中で、声にならない声は炎に包まれる父と共に、灰になり消えていく。
あまりに信じ難い現実に、鼻の奥は痛むのに
涙は一滴も流れない。
参列者もいない。誰にも見届けられぬまま父はただの灰と化す。誰かの証拠隠滅に父は巻き込まれたのだ。
こんな不条理な世界があってたまるか。
怒りに燃える拳を、やり場の無い怒りを、
火葬場の床に何度もぶつけては、鈍い音が響く。
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青龍 葵(プロフ) - 母親を殺した真犯人は誰なのか…今後の展開、中堂さんと恋人同士になった２人に甘い部分があるのか？とか思いながら更新が待ち遠しいです！ (2018年3月20日 6時) (
レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
Soll(ソル)(プロフ) - 青龍 葵さん» もう最終回ですね〜終わってしまうのが辛い！小説の方もこれから急展開を迎えますので2人の行く末を見守って頂けたらと思います (2018年3月16日 21時) (レス) id: 55764b7fd6 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - いよいよ今日でドラマ最終回！結末がどうなるのか気になりますが小説の最後（完結）も気になります。完結まで、まだまだ先かと思いますが無理のない更新で頑張って下さい！ (2018年3月16日 17時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
Soll(ソル)(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。知識の浅い素人の書く文章ですので、これからもそういった点が出てくると思いますが、少しでも楽しんで頂けるよう努力していきます (2018年3月15日 7時) (レス) id: 55764b7fd6 (このIDを非表示/違反報告)
まる - いつも楽しませて頂いてます！差し出がましいことを申しますが、細菌とウイルスは別物です！気にしないで読むつもりだったのですがどうしても気になってしまいコメントしました (2018年3月15日 2時) (レス) id: 8a313f8dce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Soll(ソル) | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/home
作成日時：2018年2月18日 19時
