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「たつやから言うんやけど…」

「うん、なにー?」

「俺、信ちゃんが好きやねん。」


少し声を潜めて教えてくれたマルに
思わず大声でリアクションを取りそうになって
「はあ」の口の形のまま。



開いた口が塞がらないとはこういうことを言うのか。


確かに前々からよく信ちゃんに構うし必ず話し掛けるしなんなら俺が帰っても閉店ギリギリまで残ることもしばしばあって思い返せばそんなような雰囲気を出していたことに驚いた。



「これでたつと恋バナできるなあ」

なんてスッキリした表情のマルちゃん。

対してアホ面の俺。


「たつ、イケメンが台無しやで?」

こんな顔にさせたの誰だよ



「でも、俺は叶わないの。」

「…………なんでなん。」

「信ちゃんは俺を恋愛対象に見てへんし、それにきっと…想い人が居てはる。」



そんなの初めて聞いたけど…



「信ちゃんに伝えへんの?」


「んー、たつが告白したら考えようかな。」


「……してやろうじゃん。俺、あの子のこと落とすよ。」



ふわふわして隣の子にくっ付いてる彼を見つめながらそう決断した。




今思い返せばもしかしたらマルちゃんの策略にハマってたのかもしれないな、なんて思うこともない。





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作者名:ちょこ。 | 作成日時:2018年6月10日 16時

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