恋の、色仕掛け〈倉安〉完結 (ページ36)

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「３６」ページ36

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それから…
最初の数ヶ月は取り敢えずという形でいま住んでる俺の家で一緒に暮らしていた。

でもそんなに広くないこのアパートで二人で住むには少し狭い、それに章大の会社から少し遠くなってしまった。

章大はそれでもいいと言ってくれるけど

どうせなら二人で決めたとこで暮らしたい。

そう信ちゃんに相談するといつの間に揃えてくれたのか候補となる物件を探してきてくれていた。

その資料を片手に夜、仕事終わりの章大と軽く飲みながら話し合う。

「俺はここでもええんよ？」

「俺が嫌だ。物件変えたら朝の数分でも長く一緒に居られるねんで？熱い夜過ごした次の日もギリギリまでくっ付いてられるねんで？」

「………あほちゃう、」

照れながら、でも一緒に資料を見てくれた。

そしてその資料の中から、俺のレストランからも近く、章大の会社へも通いやすい
そして何よりの決め手であったデザイナーズマンションのお洒落な一室に決まった。

引っ越し前日、要らないものは捨てようと決意してある程度の家電と二人でよく使ったソファー

「…たあ、このベッドは？」

「え～、狭いし新しいのに変えようやあ」

「……この狭さが好きやねんけど、」

「広い方が寝やすいんちゃう？」

「狭い方がくっ付いてられるで？…あかん？」

その一言ですぐに負け、長年使って章大との沢山の愛も刻んできたこのベッドも連れて行くことにした。

すっかり引っ越しの準備ができて
月夜の照る薄暗い部屋で

フローリング背に甘い夜を過ごす

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