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「３３」 ページ33
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「たあ、今年の誕生日何が欲しい？」
誕生日には何をあげたらいいのか分からないってなるのも困るからって欲しいものは言うっていう決まりができた。
「なあ俺、今年は何もいらへん。やからさ、やから…」
「一緒に住んでくれへん？」
すぐにいい返事が返ってくると思ってた
思ってたんと違う表情を浮かべる章大に
こっちだって不貞腐れる
でもまあ、最初は仕方ない。
すぐに決められることでもないしな、
そう自分に言い聞かせてもう少し待つことにした
…だけど、いくら待ってみても返事がこない
なんならその話をするたびに話題を逸らされるようになった
だんだん俺だってわかってくる。
もしかしたら一緒に住むの嫌なんかな、って
恋人にはなれても、いずれはちゃんとした結婚とかを考えてるんやろか、って。
一度そう考えたら止まらなくなってしまって
章大って子供、好きそうやもんな
章大の子はきっと可愛いやろうな
って考え過ぎては自分苦しめてる
加えて、前にデートしに行った章大の家で
「甥っ子がなぁ、ほんまに俺に似てて可愛いねん」
なんて言い出したから思わず「もういい、しらん」って言って自分の家に帰ってきてしまってた。
…アホや。
やらかした
そう思ってももう遅い
今年の誕生日はひとりで淋しく過ごすんかもな…
そう覚悟した。
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作者名：ちょこ。 | 作成日時：2018年6月10日 16時
