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「ちょっとジミナ！どこ行くの！？」

「あ、行っちゃったね」

取り残された僕と…えっと、サラちゃん？だったっけ。
僕の話を聞いたジミナは全力ダッシュでどこかへ消えて行った。
Aちゃんの居場所にアテがあるのかな？

「ジミナ…。」

目に涙を浮かべて崩れ落ちるサラちゃん。
座り込んでしまった彼女の肩から綺麗な黒髪がはらはらと落ちていく。
こういう時ってどうすればいいのかいつも分からない。
宥めたら優しくしないで！って言われるし、ほっといたら酷いって言われるし。

「あのさ。」

「…何。馬鹿にしたいならすれば。」

「いや、そうじゃなくて。」

「じゃあなんなの？ほっといてよ…。」

涙でぐちゃぐちゃになった顔で強がる彼女。
方向は間違ってたかもしれないけど、きっと本気で好きだったんだな。
モテるなあジミナは。

「頑張ったね。」

「……。」

「すっごく好きだったんでしょ？馬鹿になんて出来ないよ。」

「っ、」

「テヒョンの胸、レンタルする？」

「…何か、っ、企ん、でる？」

「何も？ああ、でもそうだな…」

ぎゅっと細い身体を抱き締める。
ジミナは「お前は甘いんだよ」って言うかもしれないけど、これが僕だから。

「レンタル代はAちゃんとジミナにしっかり謝ること。どう？安いでしょ。」

「…わかったわよ。」

諦めたように言うと、サラちゃんは僕の腕の中で大人しくしていた。
落ち着いた頃に小さく"ありがとう"って聞こえた気がする。
こちらこそ、僕の親友をこんなに好きでいてくれてありがとう。
…次は君も幸せになれるといいね。